「遺言信託」なるもの [感想]
「遺言信託」が何時から存在しているかを考えたことがあるでしょうか。
朝日新聞1986年(昭和61年)09月02日朝刊の記事「遺言信託が急増 地価高騰や核家族化背景に」のリードで、
「信託銀行が2年ほど前から本格的に売り出した遺言信託が急増している。
都心を中心とした地価高騰で不動産の価値がはね上がっているうえ、何かと権利を主張したがる風潮も強まり、資産分配を迫られていることか背景らしい。
信託業界も、低金利で従来の貸し付け業務のうまみが減り、こうした財産管理業務や証券業務に力を入れている。」
と、それに続けて、
住友信託銀行の調べによると、信託銀行8行(大和銀行を含む)の現在の受託件数は 約1000件。そのうち同行は約350件を受託しており、伸び率も年間2倍以上。
東洋信託銀行は、先月下旬から首都圏を中心に遺言信託に関する講演会を開催しているが、どの会場もほぼ満員の盛況という。」
と、当時の状況を報じています。
この記事からは、遺言信託は1984年(昭和59年)頃、生まれたということになりそうです。
新聞・雑誌記事横断検索で検索してみると、
遺言信託と住宅ローン債権信託の概要(新金融商品実務)/島崎敏郎、竹石誠
1984.10.01 税経通信 39(11) 187~191頁
注目浴びる遺言信託制度 -遺言信託は基盤を強化する-遺言執行業務の現状と今後の展開(新商品)/角崎勝哉
1983.04.01近代セールス 28(8)58~59頁
の二つの雑誌記事があることが分かりましたす。1984年(昭和59年)頃で間違いなさそうです。
それから 30年。それまで担っていたのは弁護士だったわけで、喰われてしまったということですね。
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