電話加入権 72,000円 [感想]
相続放棄手続の打ち合わせをしていた際、なぜか 電話加入権 の話が出て、
同年代の人との打ち合わせであったので、
「昔は 7万2000円もして、買取業者もいたよね」
という四方山話で盛り上がりました。
電話加入権は、かつては 3万、4万で買ってもらえましたが、電話加入権が不要な 携帯電話が出現したことから値崩れが起き、いまでは買い取ってくれる先が いなくなってしまいました。
愛知県弁護士協同組合が発行する
破産管財事務マニュアル 二訂(名古屋地方裁判所本庁版) 平成25年3月
では、 電話加入権に関する許可申請に関し、
電話加入権については,近時,その財産的価値が低下していることから,売却が困難な場合もあるが,管財業務に必要な本数を除き,低額であっても可能な限り早期の換価に努める。その上で換価が困難な場合には,放棄する。
という規定が相も変わらず残されています。
ネットを見てみると、電話加入権(施設負担設置金)を買ってくれる業者がいないではないようです。
買取条件を見てみると、買取価格は1,300円なのに、譲渡承認手数料864円と送金手数料は売主負担だそうで、
売っても諸費用を入れると収支はマイナスです。
そのため破産管財の現場では、
破産者の方が電話加入権1本を1,000円で買ったものとして、破産者の方に1,000円を破産財団に組入れさせ、裁判所にはその処理の許可をもらう
という誤魔化しの処理を相変わらずしています。
電話加入権は、5年以上前からずっと、
売値-諸費用 < 0
で、将来的に価値が上がるものではないわけですから、
そもそも権利ではないという扱いをすべきです。
仕事の性格柄、前例踏襲ということか。
2016-02-03 16:33
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