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大粒の納豆が、スーパーの売り場から姿を消した理由 [感想]

小粒納豆のことを調べていたところ、斉藤淳 さんという元衆議院議員の方が、 

「最近立て続けに複数の食品業界関係者から納豆に関する全く同じ話を聞いた。

スーパーから大粒の納豆が姿を消したのは、デフレ円高不況が続き、輸入大豆を使う納豆が主流になったからとのこと。輸入大豆で作った納豆は不味く、タレの味でごまかすには小粒の方が都合がよいそうだ。ちなみに僕は以前から小粒納豆は買わず、納豆を食べるときもタレは使わない。美味しくないから

実際に小粒納豆説が妥当かどうかは、スーパーに納豆を買いにいって、国産大豆大粒、輸入大豆小粒、タレあり、なしで比較試食し、なおかつ経済指標と照らし合わせて検証すれば良い。僕自身の納豆の好みを割り引いても、内部整合性、外部整合性とも問題のない議論だと思いましたけどね。」

とツイートされているのを見つけました(2016年3月7日のツイート)。

ツイートでは、    

「デフレ円高不況のため輸入大豆を原料とする納豆が主流となったが、輸入大豆から作った納豆はまずく、タレの味で納豆の味を誤魔化す必要があった。味を誤魔化しやすい小粒納豆が主流となり、スーパーの小粒納豆が納豆売場を占めることとなり、かくして、大粒の納豆が売場から消えた。」

ということを仰っていることになります。

 

この見解ですが、「小粒の納豆が好きという人が増えたので、小粒の納豆がスーパーの売場を占拠することになった」との、「消費者の嗜好」を理由として説明をする見解とは違い、

消費者は小粒納豆を買う選択しかないように仕向けられた結果であるという見解であると言えます。

それが本当であれば、業者に仕向けられたかのような、陰謀論 じみた話なので、好奇心が掻き立てられました。 

 

あまり高い本はもったいないので、適当な値段の、全国納豆協同組合連合会推薦の 渡辺杉夫著「納豆入門」という本をアマゾンで取り寄せて、まずは勉強です。 

同書の「四章 納豆製造技術の基礎知識」「2 大豆及び納豆菌の特性と発酵の原理」「(1) 大豆の特性」「② 納豆用原料大豆の選定と品質基準」(52~53頁)では、

「納豆の原料大豆は、次のような性格をもったものが良いとされる。」として、次の6つの性格を挙げています。

ⅰ 粒形は小さいほどよい

ⅱ 浸漬時の吸水力が大きく、保水力のあるもの

ⅲ 浸漬力の溶出固形分が少ないもの

ⅳ 煮豆の口当たりがよく、甘みがあり味のよいもの

ⅴ 納豆菌がよく繁殖し、粘質物が多く精製し、味のよい納豆になるもの

ⅵ 納豆になって日持ちがよいもの

(なお、「納豆入門」では、納豆の原料の大豆が、国産か、輸入ものなのかについては 原料の選定上では全く考慮していないようで、国産か輸入なのかは味には無関係という立場であるようです。)

そのうちの最初、「ⅰ 粒形は小さいほどよい」との項目を読んでみると、

「  小粒、極小粒の好まれる理由は、納豆の旨味の主因となる粘質物の生成量と口当たりの良さに関係がある。粒が小さくなるほど、単位重量当たりの表面積が大きく粘質物生成量も多い。小粒ほど納豆菌酵素が大粒に浸透するのも速い。

   中粒・大粒となる程、納豆菌酵素の中心部に浸透するのに時間がかかり、表面は納豆であるが、内部は煮豆の状態である。

   ただし、地域地より、微妙な大豆本来の煮豆の味が喜ばれ、中・大粒を好むところもあるので、消費者の嗜好本位で自由に選択されると良い。」 

と説明されています。

つまり、 

納豆の原料となる 大豆の粒が小さければ小さいほど、単位重量当たりの表面積が大きくなり、粘質物の生成量も大きくなるため、口当たりがよく、おいしい納豆となる、

ということが説明されているわけで、それなりに納得できる説明がされています。

 

この「納豆入門」では、「納豆の旨味の主因は粘質物の生成量と口当たりのよさに関係がある」ことを大前提としているようですが、

cookpadニュースの記事「2015/6/22 クックバッグ編集部 【検証してみた】 納豆の『小粒、大粒』、科学的に美味しいのはどっち? 」を読んでみると、

科学的には大粒の納豆も、小粒の納豆もほとんど変わらないという説明がなされています。

 

こういうのを見てしまうと、大豆の粒が小さいほど納豆に適しているとの、「納豆入門」の見解も、鵜呑みにはできないようです。  

なので、真実発見は まだ先のようです。(笑)        

 

  
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  • 作者: 渡辺杉夫
  • 出版社/メーカー: 日本食糧新聞社
  • 発売日: 2009/12/22
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