SSブログ

自己宛小切手の提供と本旨弁済 [困惑]

次回和解期日に 現金を持参してもらい、和解で訴訟を終わらせることを取り決めていた事件がありましたが、期日に相手方が持参したのは 現金ではなく、自己宛小切手 でした。    
 
しかも、持参した自己宛小切手には、2本線の間に「銀行渡」との文字が書かれている 線引小切手(下図参照)で、裏面に相手方の銀行届出印も押されていませんでした。しかも隣県の銀行の支店で支払場所になっていました。
 
   
自己宛小切手であるからといっても、線引されたものなど、当日に現金化など出来ません。
   
「決済は現金であったはず。事前の約束と違うので和解を蹴る」と言えるのでしょうが、裁判官の手前そんなことできません。しぶしぶ受け入れるしかありませんでした。 
    
 
今回の小切手は、隣県の手形交換所に取り立てに回されることになりますが、いつ現金化でき、取立手数料はいくら掛かるのでしょうか。
 
久しぶりだったのでよく分からず、銀行預金口座がある 2 つの銀行に問い合わせてみました。
   
まず、M銀行(メガバンク)は「現金化は当日を含め3営業日目午後1時以降、手数料は864円」で、
   
次のJ銀行(地銀)の方は「現金化は手続当日を含め5営業日目午前10時以降、手数料は648円」という返事でした。
    
銀行によってこうも違うんですね。     
     
           
   
「金銭債務の弁済のため、取引界において通常現金と同様に取り扱われている銀行の自己宛振出小切手を提供したときは、特段の事情がないかぎり、債務の本旨に従った弁済の提供があったものと認めるべきである」
   
と判示している 最高裁昭和37年9月21日判決 がありますが、 自己宛小切手だからと言っても、線引小切手の場合は「特段の事情あり」ということで、この判例の射程外だという理解でよいんですよね。
   
                       
        
 線引小切手.jpeg
(上記「線引小切手」の解説は、全銀協のHP 「動物たちと学ぶ 手形・小切手」PDF版19頁から引用させていただきました。)    

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0