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三菱東京UFJ銀行、平日昼間のコンビニATMを有料化 [感想]

三菱東京UFJ銀行は、無料だった 平日昼間の コンビニATM を有料化するとのことです(昨日(2日)の日本経済新聞電子版の記事「三菱UFJ、土日祝日のATM手数料を無料に、自行店舗 コンビニは平日昼間も有料化」)。

 

もっとも、三菱東京UFJ銀行 が、平日昼間のコンビニATM手数料を無料化したのは2007年(平成19年)3月からのことで、

それ以前は有料でした(三菱東京UFJ銀行の2006年11月20日のプレスリリース「コンビニATM手数料の引き下げについて」参照)。

したがって、元に戻しただけとも言えます。

 

では、三菱東京UFJ銀行がコンビニATM無料化を公表した 2006年11月当時、新聞はそれをどのように報じていたのでしょうか。

新聞雑誌記事横断検索で調べてみましたが、どれも だいたい同じでした。

例えば、産経新聞は、

三菱東京UFJ銀行が、コンビニエンスストアに設置してあるATM(現金自動預払機)の大半で来年3月、平日昼間の利用手数料を無料化すると発表したことが、業界に波紋を広げている。利用者にとって便利になることは間違いないが、他行の追随の動きは鈍く、あらためて利益還元のあり方が議論となりそうだ。(納富優香)

三菱東京UFJのキャッシュカードをコンビニATMで使う場合、これまで平日午前8時45分~午後6時は105円、それ以外は210円の手数料を利用者が負担してきたが、来年3月をめどに平日昼間は無料、それ以外は105円に引き下げられる。年間7000万~8000万件が利用対象とみられ、三菱東京UFJの負担増は50億円程度と試算される。

(略)

ただ、金融機関の設置するATMは6年連続で減少する一方で、その穴を埋める形でコンビニATMが増加している。各行ともコンビニATMでの利用を組み込んだ利便性の向上を迫られるのは必至だ。

一方、三菱東京UFJの無料化は、東京スター銀行とサークルKサンクスが展開している、他行の顧客でも平日昼間無料のATM網「ゼロバンク」への打撃になる。三菱東京UFJの畔柳信雄頭取は「関連はない。あくまで顧客還元のため」と強調するが、「利益還元と“スター銀つぶし”の一石二鳥の妙手」(銀行関係者)という見方も出ている。

(略)

という論調(2006年11月25日東京朝刊11面「三菱東京UFJのコンビニATM 無料化に波紋 利益還元? 他行は慎重」)。

また、読売も、

 ◆大手行好決算 献金再開方針にも批判 最長7年、欠損金を黒字と相殺

22日出そろった大手銀行6グループの2006年9月中間決算は、税引き後利益の合計が過去最高となった。しかし、税務上は多額の欠損金を抱えたままで、住友信託銀行以外は法人税を納めるようになるのは数年以上も先となる。各行ともATM(現金自動預け払い機)の手数料引き下げや、増配などを打ち出しているが、銀行への風当たりはなお強い。(是枝智、本文記事2面)

 ■異例の競争

各グループの9月中間決算の発表は、決算内容よりも、利益還元策を競う異例の展開となった。

公的的資金を完済した三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンクはそろって年間配当を1株3000円増やすことにした。

三菱UFJは、大半のコンビニエンスストアのATMから、自行の預金を引き出す際の手数料を来年3月中に平日昼間はタダにすることを決めた。

12月から振り込み手数料を一部下げる三井住友の北山禎介社長は22日、「お客様の視点に立って検討していく」と追加の引き下げを行うことを示唆した。

 ■二重の背景

9月中間決算の発表資料から試算すると、来年から法人税の支払いを再開する住友信託銀行を除けば、繰越欠損金が解消されるまでに三菱東京UFJ銀行でも2年半、三井住友銀行で約4年かかる見通しだ。

(略)

繰り越し控除は、一般企業にも認められており、銀行が特別扱いされているわけではない。それでも銀行への風当たりが強いのは、「もうけている割に、満足できるサービスが出来ていない」(三井トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長)という一般利用者の“銀行不信”が底流にある。

三菱UFJなどによる政治献金の再開検討が明らかになったことも、批判的な感情の火に油を注ぐ結果となった。三菱UFJの畔柳信雄社長は「総合的に検討している」と明言を避けたが、年間50~60億円の減収と予想されるにもかかわらず、コンビニATM手数料の引き下げを急きょ決めた一因には、政治献金再開に対する反発への配慮があったようだ。

(略)

というものでした(2006年11月23日東京朝刊9頁「大手銀行・好決算 法人税ゼロ…強まる風圧『サービス向上を』)。

 

儲け過ぎを社会に還元するという意味合いで、無料化は捉えられていたようです(大前研一氏のコラム「ATM負担は誰が担うのか」参照)。

 

三菱東京UFJ銀行の平成25年3月決算は好決算でした(週刊ダイヤモンド2013年5月18日の記事「3メガバンク好決算でも喜べない 『本業』じり貧の厳しい前途」参照)。

負担が重くなったから、有料化に戻したということを三菱東京UFJ銀行は言っているようですが、儲け過ぎの還元という意味合いは どこへ消えてしまったのでしょう。


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