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通知弁護士の通知 [調査]

近々、愛知県弁護士会から名古屋国税局に対し、税理士法51条1項の通知をしてもらうことにしました。

税理士法

51条(税理士業務を行う弁護士等)

弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができる。

2~4 (略)

税理士法51条1項は、「弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができる。」と規定してますが、ここに言う、

「随時」

とは、どういう意味なのか、分かりになりますでしょうか。

 

手元にある 岩波国語辞典第六版では、

ずいじ 【 随時 】

① (好きな時に) いつでも。「この図書館は-閲覧できる」

② (気の向いた時に) おりおり。ときどき。「-書いている日記」

▷ 多くは副詞的に使う。

との説明がされています。

税理士法51条1項の「随時」も、国語辞典の説明と同じであれば、

「いつでも」

ということになります。

 

ですが、そうは問屋が卸しません。

日本税理士連合会が、国税庁長官と財務省主税局長宛に提出している平成24年9月26日付「税理士法に関する改正要望書」では、

税理士法51条1項の「随時」に関して、

通知弁護士については、「随時」税理士業務を行うことができるとされているが、税理士法制定時の整理では、通知をすれば半年~1 年の税理士業務ができることとされており、恒常的に税理士業務を行う場合には税理士登録をするという趣旨であった

との立法制定時の経緯を述べています(同要望書7頁)。

「随時」とは、「 いつでも 」ということではなく、「通知から 半年~1年のこと」との見解が採られているようです。

同様に、日本税理士連合会編、坂田純一著 「実践税理士法 」でも、

税理士法51条1項の「随時」ついて

「弁護士及び弁護士法人は,国税局長に通知することにより,その国税局の管轄区域内において,『随時』,税理士業務を行うことができるとされている。しかし,この『随時』について確定的解釈は存在しないが,立法過程の議論や税務申告という実態等に鑑みれば,1年以内と解することが妥当と考えられる。」

との注釈が加えられています(同書310~311頁)。

 

「税理士法に関する改正要望書」や「実践税理士法」が採っている、「随時」の解釈からは、

税理士法51条1項の通知の効力は1年で、1年の経過により失効。

通知は国税局長宛に毎年出す必要がある。

ということになりそうです。

 

ですが、「通知を何度も出さないといけない」などと聞いたことは一度もありません。

試しに、愛知県弁護士会の事務局で聞いてみても、

「通知は一度すれば、取り下げるまで有効」

という返事でした。

 

日本税理士連合会が採っている(であろう) 「随時」の解釈が正しいのか、間違っているのか、私の頭では判断つきかねます。

こんな場合は、有権解釈権者である 国税局 に聞いてみるのが一番で、間違いありません。

そんなわけで、名古屋国税局総務部総務課税理士係に電話をし、税理士専門官と名乗られた担当者の方に尋ねてみました。

税理士専門官の方からの回答は、要約すれば、

「税理士法51条1項の通知は一度してもらえば足り、再度の通知はいらない。」

「税理士法51条1項の『随時』に関する通達や解釈例規などは存在しない。」

ということでした。

 

 

活字を信じてしまう世代なため、残念なことに、兎に角、活字になっているとそれだけで、「そんな見解もあるのかな」という気にさせられてしまいます。

 


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