「空き家問題対策セミナー」 [感想]
愛知県と愛知県住宅供給公社が、2月10日に「空き家問題対策セミナー」を共催しました(「『空き家問題対策セミナー』開催の御案内」参照)。
セミナーでの講演は、空き家の現状や、空き家の管理手法や適正管理条例を内容としており、是非、出席させてもらいたいと思いましたが、如何せん予定が入っていたため、見送らざるを得ませんでした。
ところで、セミナーの案内は先月1月30日にありました。
「案内から10日後にセミナーをやるなんて、どういうつもりなんだろう?」と素朴に疑問に思っていましたが、
今朝(27日)の中日新聞県内版に、
県営住宅 59,516戸 のうち、 9,576戸(16.1%)が空き家
と報じた記事(「県営住宅 空き家増加 財政難 修繕 募集できず」)が載りましたが、その記事を読んで、
合点がいきました。
県営住宅の募集倍率は7倍だそうですが、
空き家を住宅として供給できれば、県営住宅には より多くの人が入居可能となります。
もし、愛知県や
愛知県から委託を受けて県営住宅の修繕、施設管理、入退去、家賃収納を行っている 愛知県住宅供給公社
が、空き家の増加を手をこまねいて放置していたのであれば、非難を浴びるのは必至です。
空き家セミナーは、県と住宅供給公社は、空き家対策をいろいろ考えているだとアピールするにはもってこいです。
そのためだったのですね。
ところで新聞では、
空き家9,576戸のうち 修繕費不足のために空いている住宅は 2,524戸、無断退去などで家財が放置され、修繕もできない状態の住宅が 1,744戸
だと報じています。
でも、修繕費不足の2,524戸と、修繕不能な 1,744戸を足しても 4,268戸です。
残りの空き家 5,308戸 は どうして空き家なのでしょう。 記事は何も触れていません。
なぜなのでしょう。 気になりますね。
また、
県営住宅では住宅の入居者を募集する際、壁の塗り替えや水道管の修理などで、一戸当たり30万円程度の修繕費が掛かる
ということだそうですが、
県の担当者は記者さんに対し
「修繕に充てる経費がなくて十分な募集をかけられず、空き家が累積してしまった」
などと打ち明けたそうです。
でも、修繕費不足のための空き家は 2,524戸ですので、
この2,524戸の空き家の修繕費の見積額は、総額で
30万円×2,524戸= 7億5720万円
にしかなりません。
「修繕に充てる経費がなかった」と打ち明けた県職員は、残念なことですが、記者さんには、
本当のことを打ち明けてくれなかったようです。
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