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奇妙なねじれ [調査]

今月5月8日、共同通信が、ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長ヘンリー・ストークス氏著「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」の一部記述を翻訳者である藤田裕行氏が無断で加筆をしていたと配信しました(朝日新聞DIGITAL2014年5月9日「『南京大虐殺なかった』翻訳者加筆と報道 出版社は否定」参照)。

それに対し出版元の祥伝社は共同通信の記事が誤報と翌9日、発表(同社の平成26年5月9日付プレスリリース「『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』に関する各社発表について」 参照)。

朝日の記事にも書かれているように、

「翻訳者同席の上で元東京支局長から取材した結果を記事化した。 録音もとっている。」

と共同通信側が再反論したところで、何となく 水入りです。

 

朝日が共同通信の記事が誤報であるかのようなことを報じ、

いつもなら右っぽい報道をしている産経が、それについて沈黙している

との ネジレ が生じています。 

 

「ストークス」をキーワードにして 産経新聞でニュース検索をしてみると、下の5本の記事が出てきます。

1番と3番の共同通信が配信した記事は閲読可能ですが、薄い黄色を付けた2番、4番、5番の記事は

「ページが見つかりません」 となってしまいます。

産経新聞は削除してしまったようです。

 5本の記事.jpg

反対に、47NEWS の記事検索 で、配信元であった共同通信の記事を探してみると、

産経の1番から5番の5本の記事のうち、

2番の「南京虐殺否定を無断加筆 ベストセラーの翻訳者」と、4番の「『ゆがめられた歴史正す』 無断加筆の藤田氏ら

の2本の記事は見つけることができるのですが、どうやっても 1番と3番と5番の記事は見つかりません。

後始末の付け方には、各社各様の思惑があるようです。 

                                                   

ところで産経新聞は、共同通信社の加盟社で、今回、共同通信の記事を鵜呑みにして配信してしまったため、

しらばっくれたままで逃げ切りを図るつもりなのでしょう。

 

でも、共同通信社の場合は、

報道の在り方や読者からの苦情などについて、社外の識者から意見を聞くため、

「報道と読者」委員会と呼ぶ 第三者委員会 を設けています。

この委員会の会合は年に 3 回開催されるということで、例年どおりだと 次の会合は 6月下旬に開催される予定となるようです。

「報道と読者」委員会への情報提供はネットからもできるようなので、

今回の報道に関し、

苦情や意見がを押し寄せていることでしょうから、委員会でも無視を決め込むことはできないでしょう。

第59回会議の会議日誌では、どんな議論が闘わされているのか 今から興味津々です。


英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)

英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)

  • 作者: ヘンリー・S・ストークス
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2013/12/02
  • メディア: 新書


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