地上げと宅建業法 [豆知識]
「今の世の中に、こんな根性ある 地上げ屋が まだおるんか!!」
との新鮮な感動すら覚えてしまう 不動産業者と 借家退去絡みで (嫌々ではありますが、半年以上も) 関わっています。
半年ほど前の話ですが、
脅迫紛いの地上げ行為が宅建業法に触れないかを ××県建設部建設業不動産業課に確認をしてみました。
業者に行政指導を求めるためです。
その時の県の職員の説明では、
「地上げ行為は 土地建物の売買・交換・貸借のいずれでもないので 宅地建物業 ではない。 なので、地上げ行為が 宅建業法に違反するということはない」
というもので、まったく相手にされませんでした。
ですが、この回答に従うと、「不動産屋が暴力団員を使ってエグい地上げをしていても、宅建業法違反は問題にならない」 ということになりそうです。
リーガルマインドなんて大上段なことを振り回すまでもないことですが、
奇妙な話です。
そんなわけで調べてみたところ、地上げに関しての 国土交通省の宅建業法に関する通達があることがわかりました。
それは「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」という通達の39頁部分で、
その他の留意すべき事項
3 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律関係
(1) 宅地建物取引業者が、宅地建物取引業に関し、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴力団対策法」という。)第12条の再発防止命令を受けた場合には、業務に関する他法令違反として、情状に応じ、法第65条第1項第3号の指示処分、法第65条第2項第1号の業務停止処分、法第66条第1項第9号の免許取消処分のいずれかを行うことにより、厳正に対応する必要がある。暴力団対策法第12条の再発防止命令を受けていなくても、宅地建物取引業に関し、暴力団対策法第10条に違反する行為を行ったことが明らかである場合においては、情状に応じ、法第65条第1項第2号の指示処分、法第65条第2項第5号の業務停止処分、法第66条第1項第9号の免許取消処分のいずれかを行うことにより、厳正に対応する必要がある。
(2) 暴力団を利用した悪質な地上げ等に対する措置について
宅地建物取引業者が、宅地建物取引業に関し、暴力団を利用し当該暴力団の構成員が違反行為を行った場合又は自ら暴行、脅迫、詐欺、恐喝等の違法行為を行った場合は、法第65条第2項第5号、法第66条第1項第9号等に該当するものである。この場合、借地人からの借地権の買い取りや借家人の立ち退き交渉などのいわゆる地上げ行為についても、宅地建物取引業法に関する等位として法第6章の監督の規定が適用されるものである。
と解説がなされています。
ヤクザ紛いの地上げ屋のことを考えてみれば、あまりに当たり前のことです。
念には念を入れて、国土交通省中部地方整備局建政部建設産業課 にも確認してみましたが、
不動産業者が地上げに際し、暴行、脅迫、詐欺、恐喝等の違法行為を行った場合には宅建業法違反となる
というのが結論です。
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