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とんでもない失敗 [困惑]

預託金返還請求訴訟で、仮執行宣言の申立てを忘れてしまったため、地裁から仮執行宣言が付かない判決をもらってしまいました。

 

仮執行宣言とは、判決の確定前でも執行力を付与する裁判のことです。

判決に仮執行宣言が付されていれば、判決の確定など考慮することなく、強制執行をすることが可能となのですが、

それが付されていないと、判決が確定するまで、強制執行をすることができないことになります。

 

仮執行宣言の付与について民事訴訟法第259条1項では、

「財産権上の請求に関する判決については、裁判所は、必要があると認めないときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる」

と規定されています。

この規定を読んでみると、裁判所が職権で仮執行宣言を付与してくれる場合があるかのような規定となっていますが、

原告が仮執行宣言の申立てをしていないにもかかわらず、裁判所が、原告に気を利かして、職権で仮執行宣言を付してくれたなどということを聞いたことなど寡聞にして存じません(そのように述べている文献は発見できませんでした。)。 

 

申立てをしていないのに、職権で 仮執行宣言を付してくれるなどということは、「実務上ではない」との理解で間違いないと言えるのではないかと思っています。 

なので、私の仮執行宣言の申立ての失念は、言い開きができない、とんでもない失敗になるというわけです。

 

争点がない事案であったので、控訴など印紙代などが無駄になるから、控訴などしてこないだろうと安易に構えていたのですが、なんと控訴が提起され、判決の確定が遮断されてしまいました。

指折り数えていた債権執行の準備も 全て おじゃん です。

 

依頼者には私の不手際を謝罪し、許してもらいましたが、リカバリーショットを打たなければいけません。 

どのようなことか可能であるか調べたところ、仮執行宣言の裁判を求める内容での附帯控訴が可能だということが分かりました。その場合、貼用印紙はいらないということです(文献:有斐閣・注釈民事訴訟法(8)108頁、法曹会「訴額算定に関する書記官事務の研究」205頁)。

付帯控訴の趣旨には、 

「原判決の主文第1項は、仮に執行することができる。」

とすればよいようで、高裁からも補正を求められていません。 

 

判決まで、あと3ヶ月余りか、長いな。

 


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