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レセプト債の販売手数料は高くない ? [検討]

証券取引等監視委員会が、ホームページで 「アーツ証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(平成28年1月29日)」を報道発表していますが、
 
参考資料が今回のアーツ証券が主導で販売して3種類のレセプト債の販売の状況を 大変分かりやすく整理をしています。 
     
 
 
この参考資料において、販売手数料の総額と、そのうちのアーツ証券分として載っています(13頁「発行会社3社の資金の収支の概要(平成27年10月末現在)」)。 販売手数料の総額は41億円で、うち、11億円がアーツ証券販売分、残り30億円が6社が販売分ということになるようです。
 
販売手数料の金額の方はこれで分かりましたが、アーツ証券と残り6社は、どの程度の料率の販売手数料を得ていたのでしょうか。   
 
社債発行残高は、平成27年10月末において、3社合計で 227億円ということです。
   
3社のうち、オプティ・メディックス・リミテッド(OPM)発行分の社債発行残高は、平成22年12月末に139億円だったのが、平成27年10月末では129億円に減少しています。また、メディカル・リレーションズ・リミテッド(MRL)発行分についても平成25年4月末に46億円であったのが、平成27年10月末には41億円に減少しています(12頁「発行会社3社の社債発行残高及び運用実態等の推移」参照)。
 
これら2社については、社債が一部償還されていることが確認できます。
 
ですので、3社の社債発行残高 227億円には、OPMとMRLの2社の償還された社債分の金額が含まれていないこととなり増すきで、もし、償還された社債分も勘案すると、販売された社債の総額は、例えば、250億円とか、260億円とかになるものと思われます。
   
    
 
社債の販売手数料を、平成27年10月末時点の社債発行残高で除したとしても、そこに出てきた数値は、販売手数料の料率を表したものではありません。
 
とはいうものの、手数料の料率がどの程度であったかかを推察する、数値 であることにはなります。
    
   
その数値は、アーツ証券 16.42 % 、それ以外の6社  18.75% というものでした。 
      
 
この結果からみると、レセプト債の販売手数料の手数料料率が 10% を超えていたことは容易に想像できます。
 
馬鹿高いという感想を持ちましたが、どうなのでしょう。
   
証券会社がレセプト債を販売して得ていた販売手数料が高額であったとの 報道に接した記憶がありません。
    
   
もしかすると、今回の販売手数料は 証券業界では常態のもので、飛び抜けて高額だというわけでもないので、報道に値しないため報道されていないのかもしれません。  
      
    
そうだとすると、私は「販売手数料の料率を販売時に開示させるようにすれば、レセプト債問題などは即座に解消するだろうと」と安易に考えていましたが、
   
それでは駄目なのかもしれませんね。 
    
   
    
販売手数料と販売残高.jpg 
 
  アーツ証券が取り扱っている社債の概要(2).jpg
 
   
発行会社3社の資金の収支概要.jpg 

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