ご遺体ホテル [豆知識]
今年1月のブログで触れましたが、田舎では考えられませんが、東京では死くなってから一週間後の葬儀などザラだということです(2016年1月21日のブログ「所変われば、葬儀は一週間後」)。
葬儀までの間、テレビドラマで出てくるような、遺体貯蔵庫のロッカーで遺体を保管してもらうことになるのだということですが、あまり気持ちがいい話ではないのでブログでは触れませんでした。
一週間も家で遺体を面倒を見ることなんて無理です。なので、話を聞いた際には、「さみしな話ではあるが、やむを得まい」と思いました。
しかし、その時には頭が及びませんでしたが、考えてみれば、遺体貯蔵庫での遺体の保管にはどうしても納得できないという人がそれなりにいて、そのような人たちの 何とかしてほしいという ニーズが転がっていてはずです。そして、そのニーズを汲み上げたサービスを提供する事業があってもおかしくありません。むしろ、なければおかしいです。
ロイターのニュースを見ていたところ、火葬までの間、遺体をきれいな状態で安置してほしいとの遺族の願いから、「遺体ホテル」という新たなサービスが登場したことを報じているニュースを見つけました (ロイター2016年5月2日「多死社会の日本で新サービス、『遺体ホテル』に脚光(字幕・29日)」)。
まさに それです。
動画に出てきている「遺体ホテル」は ここ になるようですが、 1日(24時間) 27,000円 → 9,000円(税込) という料金設定になっています。
想像していたよりも 安いと思いました。
「遺体ホテル」ですが、「遺体安置所 」に分類されることになるようです。
営業にあたっての規制を考えてみます。
倉庫業登録が必要であるかのような記述をネット上で見かけますが、倉庫業の登録は必要ではないことになるようです(倉庫業法第2条第2項では「倉庫業」とは「物品の倉庫における保管を行う営業」のことを言うが、ある営業行為の一部を取り出してみると「保管」といいうる場合でも、全体としてみると、「飼育」「供養」等他の行為であると認められる営業形態は倉庫業ではない、 ということになるからです。(北海道運輸局のサイト「倉庫業法施行令第1条で定める事業(倉庫業の定義から除外される事業)とは、次のとおりである」参照)。
建築基準法も、「遺体安置所」ということで特別に規制が過重されることはないようです。
「遺体ホテル」を開業するにあたり、法律上の規制はないようです。(間違っていたら、誰か指摘してください。)
条例ではどうでしょうか。
開業予定地の地方公共団体がどのような条例を定めているかによりますが、動画の「遺体ホテル」の場合ですと、川崎市に所在するので、「川崎市葬祭場等の設置等に関する要綱」に従った事前協議が要求されていますが、実際に開業しているわけで、要綱に従った事前協議済ということになるのでしょう。