労働分配率 [検討]
団体交渉の際、会社の「労働分配率」が、低いことが指摘されることがありますが、
労働分配率は「 人件費 / 付加価値 」 によって 計算されるため、分子である「人件費」が大きい、また、分母の「付加価値」が小さいのであれば、労働分配率は高い数値となります。
そのことからも分かることですが、実際、労働分配率などは、同業の会社によっても まちまちです。
そのような労働分配率ですが、1960年から2014年までの 50年あまりの間の年次推移は下表のとおりとなります(下表は、財務省広報誌「ファイナンス」平成27年12月号(通巻601号)84~93頁の財務省総合政策研究所副署長高田潔氏の「さらに企業利益率が改善した日本経済-平成26年度法人企業統計年次調査より-」の「図表15 労働分配率の推移」を引用したものです。) 。
新聞では、労働分配率が下がったことがばかり報じられるわけですが、
好景気 → 人手不足→ 賃金上昇 = 労働分配率上昇 ということになりますので、労働分配率を上げることができないのは、景気がよくないからなわけで止むを得ない面があるといえます。
財務省「法人企業統計」や、 TKC経営指標 の労働分配率を参考にして、
労働分配率が〇〇%となるよう昇給をする、しないという交渉をするわけですが、実際には、会社ごとで労働分配率はまちまちです。
あくまで、昇給の目安として 労働分配率 を使っているだけなのに、そのことがよく分かっていない人が 結構いますね。
検察事務官、証拠品の窃盗 [困惑]
横浜地検の検察事務官が証拠品の現金300万円を盗んだとして先月27日に逮捕されました(カナコロ 神奈川新聞2016年4月27日「検察事務官を逮捕 、証拠品の300万円盗む 横浜地検」)。
記事では容疑者の事務官が「総務部で証拠品の管理などを行う担当だった」と書かれていますが、証拠品の管理は検務部門の業務で、事務局部門の総務の業務ではありません(法務省HP「検察事務官の幅広い職場と仕事」参照)。
事情聴取するため、急ぎ、総務部付ということで 異動させたのでしょう。
ところで、刑事事件についておいて押収された物の受入れ等の事務について法務省は、
「証拠品事務規程」というものを定めています。
その「第3章 保管事務」では、
(証拠品の保管者)第13条 証拠品(換価代金を除く。)の出納保管は、証拠品係事務官が行う。(立会封金)第15条 証拠品が押収物たる通貨であるときは、証拠品係事務官は、所属課長等立会いの上でその金額、種類及び数量を封筒の表示と対査し、立ち会った所属課長等と共に封筒に封印する。(証拠品の保管場所)第16条 証拠品(換価代金を除く)は、倉庫又はこれに代わる場所に納めて保管する。2 次に掲げる証拠品は、倉庫その他堅ろうな容器又はこれに代わる施錠できる設備に収納して保管する。
(1) 通貨、証券、貴金属その他の貴重品と認められる物(2) 劇毒物、けん銃その他の取扱い上危険と認められる物(3) 覚せい剤、麻薬その他 これに類する物
規程が遵守されていたのであれば、証拠品 の現金300万円は、所属課長立会いの下で封印されて金庫に保管されていたことになるわけで、事務官はどうやって盗んだのか、関心が湧きます。
いずれ報道によって どんな手口だったか分かるでしょう。