預託金償還ビジネス [はてな?]
今から十数年前、
「ゴルフ場を退会した会員から預託金債権を譲り受けて、その預託金の返還請求をゴルフ場に請求することを業として行うこと」
の適否が、
預託金償還ビジネスは許されるか
として、議論がなされていた時期がありました。
時期は2002年(平成14年)頃のことです(ゴルフダイジェスト2002年5月7・14日号「会員権買っても入会せずに預託金返還訴訟起こす“ビジネス”に業界の警戒心強まる」、2002年10月29日「入会せずゴルフ場に預託金返還を請求する“償還ビジネス”を違法とする判決相次ぐ」参照)。
この問題、
指名債権の債権譲渡を受けて、その譲り受けた債権を権利行使をするということだけのことですから、
基本的に有効であることは言うまでもありません。
この預託金償還ビジネスの行方ですが、
民事再生法(2000年(平成12年)4月1日施行)の評判が浸透していくにつれて、ゴルフ場のうち、(経営状況がまともだった)主だったゴルフは民事再生の申立てをしました。
そして、預託金債務の90%以上のカットを実現し、預託金債務の処理を終えることになりました。
そのため、「預託金償還ビジネス」という言葉自体、
2005年(平成17年)ころまでには、聞くことすらなくなりました。
と思っていたところ、日本ゴルフ場事業協会では、昨年の末月に、
「ゴルフ場業界の現状と将来予測、『預託金償還対策』を通してゴルフ場事業の再興を考える」
と題するセミナーを開催されていることが分かりました。
私の中では、終わってしまっていた「預託金償還ビジネス」ですが、
実は終わっていない問題だということを再認識しました。
確かに、日本ゴルフ場事業協会の加盟コース一覧の中には、
預託金の償還をせずに、ゴルフ場経営をしているところ
が散見できますので、
預託金償還対策
は同協会の会員の方にとっては重大な関心事だということのようです。
川崎重工業の社長解任劇 [はてな?]
川崎重工業の社長解任劇が世間を騒がせていますが、
同社が13日に公表したニュースリリース(「代表取締役の異動、役員の異動、業務執行体制の改定等について」)では、
13日開催の臨時取締役会において、長谷川聡氏ら3名を代表取締役・役付取締役から解職し、社長付きの取締役にしたこと、
要するに、
長谷川聡 氏 代表取締役 社長 → 役なしのヒラ取
高尾光俊 氏 代表取締役 副社長 → 役なしのヒラ取
廣畑昌彦 氏 常務取締役 企画本部長→役なしのヒラ取
としたことを、まず、報じています。
その上で、第190期定時株主総会招集ご通知では、長谷川聡氏ら3名を取締役候補者として挙げていたが、
上記臨時取締役会で長谷川聡氏ら3名を取締役の候補者としないことと決めたので、長谷川聡氏ら3名については株主総会では取締役選任を付議しないことにした、と(正確に)報じています。
役員人事などについて、取締役会が決議できるのは、
代表取締役の選任と解職(会社法362条2項3号)、
重要な使用人の選任解任
ぐらいのものです。
取締役の解任は株主総会の専決事項ですので、取締役会で、取締役を解任などできません(同法339条1項)。
取締役会で代表取締役・役付取締役から解職された長谷川聡氏ら3名は、
任期満了により取締役を退任し、川崎重工業と縁が切れるうことになるわけです。
任期途中に解任されたわけではありません。
にも関わらず、川崎重工業の社長解任劇の報道では、あたかも、長谷川聡社長ら3名が臨時株主総会で取締役からも解任されたかのように報じられています。
下の記事は共同通信の記事(「川崎重工が社長解任 三井造船との統合で対立」)の抜粋ですが、
他社の記事も似たり寄ったりです。
造船重機大手の川崎重工業は13日、長谷川聡社長(65)ら取締役3人を臨時取締役会で解任したと発表した。
後任社長には村山滋常務(63)が同日付で昇格した。…
長谷川氏の他に解任されたのは高尾光俊副社長(63)と広畑昌彦常務(61)。
会社法の知識のない読者の方は、長谷川聡氏ら3名は取締役会で、代表権等を剥奪されただけでなく、取締役からも解任されたと誤解されるのではないかと思ってしまう記事です。
川崎重工業のニュースリリース(「代表取締役の異動、役員の異動、業務執行体制の改定等について」)を、正確に読み込んで記事として整理する能力が、
現場の記者は言うまでもなく、また、新聞社の編集局にもないということのなのでしょうが、
もう少しレベルアップしてもらいたいと思います。
(参考)
第362条
2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。
三 代表取締役の選定及び解職
4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
第339条
1 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
看板での税込価格の表示 [はてな?]
看板に価格を表示する際にも、消費税の総額表示義務は及ぶことになります。
消費税法63条の総額表示義務は、
不特定かつ多数の者に対して、あらかじめ価格を表示する場合を対象としているので、
不特定かつ多数の人が見る看板にも及ぶ
というわけです(財務省HPの「総額表示Q&A」の「≪総額表示の対象≫ Q1 見積書や請求書等は、総額表示義務の対象ではないのですか。」参照)。
居酒屋の看板に 270円(税込284円)とか、280円(税込294円)とか、税込価格が書かれているのはそういう理由によるわけです。
でも、居酒屋の看板の中には、「270円」とかだけ書いてあって、
税込価格が書いてないものがあったりします。
私が直接、現認したものとしては、
「金の蔵Jr 名古屋駅西店」の看板がそうです。
看板には、「金の蔵Jr」、「270円」、「居酒屋」とだけ書いてあり、
「税込284円」とはどこにも書いてありません。
ホットペッパーで、「金の蔵Jr 名古屋駅西店」をチェックしてみると、
店は 284円均一居酒屋 となっています。
どうして、看板に 「税込284円」 と書かなくても許されるの ? ? ?
よく分からないので、
「金の蔵Jr」をチェーン展開している 三光マーケティングフーズ のホームページを覗いて見ました。
トップページの店舗案内の「金の蔵 Jr.」の箇所をクリックすると、
下図が現れました。
「金の蔵Jr」の名前は、「居酒屋270」だけでなく、「居酒屋280」にも、「居酒屋299」にも顔を出しています。
そもそも、、「居酒屋270」、「居酒屋280」、「居酒屋299」とは何のことなのでしょう。
訳が分からないので、
「居酒屋270」、「居酒屋280」、「居酒屋299」の「金の蔵Jr」」のところを、手あたり次第にクリックしてみてみました。
出てくるのは、エリアと、そのエリア内の店名です。
いろいろ、いじくってみた結果、
「居酒屋270」とは、品代が270円(税込284円)の店、
「居酒屋280」とは、品代が280円(税込294円)の店、
「居酒屋299」とは、品代が299円(税込314円)の店、
のことを表しているんだろうということが うっすらと分かってきました。
そこで思い出しました。
そう言えば、
お店の名称(屋号)は、総額表示の対象とならない
ということでした(前記「総額表示Q&A」の「≪総額表示の対象≫ Q2 『100円ショップ』などの看板は総額表示の対象になりますか。」参照)。
「金の蔵Jr 名古屋駅西店」の看板には、
「金の蔵Jr」、「270円」、「居酒屋」と書いてあることを確認していましたが、
この3つの単語を並び替えれば、
(「円」の一字が余分ですが、)
「居酒屋270 金の蔵Jr.」
となります。
ちょっと苦しいんではないかと思いますが、
「金の蔵Jr」、「270円」、「居酒屋」との看板の文字について、
「店の名称が看板に書いてあるだけだ」
と強弁できないでもありません。
三光マーケティングフーズの第33期の有価証券報告書( 自 平成20年7月1日 至 平成21年6月30日 )の「第2 事業の概況」には、
「 店舗開発におきましては、・・・ 上期に商品価格を低く抑えたブランドとして・・・『金の蔵Jr.』を開発いたしました。
下期には、・・・ 『金の蔵Jr.』に『全品300円居酒屋金の蔵Jr.』を開発導入し、さらに、『全品299円居酒屋金の蔵Jr.』、・・・を開発し、・・・ 」
と書いてありますので、「金の蔵Jr.」の展開は平成20年以降のことのようです。
総額表示の義務付けは平成16年4月からのことです(財務省HPの「消費税における『総額表示方式』の概要」参照)。
「金の蔵Jr.」の店舗開発の際には、 看板に 270円(税込284円)と表示するかどうか
議論されているはずで、 その結果、
「 『金の蔵Jr』、『270円』、『居酒屋』で行こう 」
となったのではないかと想像します。
プレスリリースぐらいあってもよさそうなのですが、それがないため、残念ながら、想像するしかありません。
284円均一居酒屋は、なぜ 284 円 [はてな?]
名古屋市内の繁華街でも、
270円(税込284円)均一や、280円(税込294円)均一の居酒屋の看板をよく見かけますが、
車の助手席に(何もすることなく)乗せていただいた際に、ふと、
「270円均一だと、消費税は13.5円になるのに、何んで、円未満を切り捨てて、『税込293円』とはしないで、『税込294円』としているんだろう?」、
「1円でも安ければ、客への訴求力があるだろうに」
と、どうでもいい疑問が頭にもたげました。
(以下に述べていることは、いろいろ調べた結果となります。間違いはないと考えていますが、100%自信があるわけではありませんので、その前提でお読みください。)
調べてみると、
まず、消費税の総額表示(消費税法63条)の関係では、
「税抜価格」に上乗せする消費税相当額に1円未満の端数が生じる場合には、その端数を、「切捨てるか」、「切上げるか」、「四捨五入するか」は、事業者が決めてよい
となるようです( 財務省HPの「総額表示Q&A」の「Q7 現在の『税抜価格』を基に『税込価格』を設定する場合に円未満の端数が生じることがありますが、どのように処理して値付けを行えばよいのですか。」参照)。
つまり、税抜270円であれば、店としては、「税込283円」、あるいは、「税込284円」のどちらにしてもいいわけですが、
「税込283円」= 「店は、客の消費税について、1品あたり 0.5円を負担してあげることになる 」、
「税込284円」= 「店は、客の消費税は負担してあげないことになる」、
という関係に立ちます。
お客さんを誘引するためには、お品代が 1 円でも安いに越したことは間違いないことでしょう。
ですが、お客さんの消費税を、お店が、
1品あたりの 0.5円 を負担してあげるだけだとしても、
お店の月間売上げ品数が3万品であれば、
店の負担は月1万5000円で、年間なら18万円となります。
(三光マーケティングフードのHPでは、「金の蔵Jr」のコストシュミレーションでは、月次売上800万円を想定しています。
このデータから、800万円÷284円 ≒ 2万8169品となることから、1店舗あたりの 「月間売上げ品数」を 3 万品とラフな推計をさせていただきました。)
100店舗も チェーン展開しているのであれば、チェーン全体での年間18百万円の負担です。
いずれにせよ、
「税込284円」と「税込283円」の1円だけの違いでは、
「お店が、お客さんの1品あたり0.5円分の消費税を負担してあげても、トータルでは利益は増えない」
との判断で、
「税込284円」としているんでしょう。
「税込283円」の店を見かけないのは、そんな訳かな。
(参考)
事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、
不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、
あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、
当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。
※ 総額表示義務は 消費税法63条の2 に当初規定されていたようです(国税庁のHPの「No.6383 課税標準額に対する消費税額の計算の特例」では、改正が反映されておらず、「消法63の2」のままになっています。)。
(いつの改正で、条文が繰り上がったのかまでは確認しておりませんが、) 改正によって、消費税法63条の2 から 63条に繰り上がったようです。
初歩的なミス 3 題 [はてな?]
法務局の入札情報を確認していたら、初歩的なミスをいくつか見つけてしまいました。
まずは奈良地方法務局の入札情報。
どこが間違いか、分かりますか?
( ヒント ) 今日は何月何日でしょう。
次は、横浜地方法務局。
簡単なので、これはノーヒント。
最後に、那覇地方法務局。
これも横浜と同じミス。
3つとも、わかったでしょうか?
法務局がこんな初歩的なミスを放置しておくなんて、結構意外。
消費者金融大手3社、営業収益減少中 [はてな?]
消費者金融最大手のアコムは先月26日、2013年3月期第2四半期(2012年4~9月期)の業績予想を上方修正しています(「平成25年3月期 第2四半期(累計)業績予想の修正に関するお知らせ」参照)。
アイフルも一昨日(11月13日)、業績が上触れしたことを公表しています(「平成25年3月期第2四半期連結累計業績と前年同期実績との差異に関するお知らせ」参照)。
業績が上向いてきていることは、昨日(11月14日)、2013年3月期中間決算を発表したプロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)も同じです(「2013年3月期 中間決算資料」参照)。
3社とも営業収益(≒売上高)の減少は止まっていません。
ですが、そんな状況の中でも、(純)利益が当初見込みよりも増加傾向にあります。
素直に考えれば、
消費者金融は復調しつつある
ということになるはずです。
そんな中、読売新聞は、
「消費者金融大手3社、営業収益の減少続く」と題した、
消費者金融大手3社の2012年9月中間連結決算が14日出そろい、いずれも売上高にあたる営業収益が前年同期を下回った。
改正貸金業法による規制強化で、主力の個人向け無担保ローンの貸し出し利回りが縮小していることなどから、営業収益の減少が続いている。
との、消費者金融業界が相変わらず ダメダメな状況にあるかのような記事を配信しました。
なんで、読者の誤解を招くような記事を配信するんでしょう?
花博記念協会の登記の懈怠 [はてな?]
協会は、「役員 平成24年7月1日」として、下表に示した 会長・副会長・理事長・専務理事、理事4名の方の氏名と役職を、7月初旬からホームページに掲載を開始しました。
ですが、この花博記念協会。
現時点(平成24年9月29日現在)において、ホームページで役員として名が挙がっている、幹事2人を除いた、8人のうち、
登記上、理事として氏名が出てくる方は、今井敬氏、佐藤茂雄氏、今西秀雄氏、小河保之氏の4名だけです。
新たに協会の専務理事に選任された 宮前保子氏や、理事長の角和男氏、理事に選任されたとする大阪市副市長の田中清剛氏、明大教授の輿水肇氏の登記がなされていません。
それだけでなく、今年6月に退任したはずの、専務理事であった日尾野興一 氏、理事長であった 旧国土庁の元事務次官であった 三井康壽 氏、ほか計5名の方が理事として登記されたままになっています。
つまり、理事の退任・選任の変更登記が全くされていないというわけです。
私は、
「もしや、特例民法法人では、理事の登記に特則が定められていて、理事の変更登記を猶予する規定でもあるのかしらん」
と思って、このことをブログで指摘させていただくことを、ずっと差し控えていました。
つまり、指摘が間違っているかもしれないと思い、躊躇していたわけです。
ですが、私なりに、いろいろと調べ、検討を加えた結果、
整備法(「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」)等の関係法令では、特例民法法人の理事の変更登記に関し、登記の申請期間を2週間から伸長することを定めた特例規定などはない。
したがって、花博記念協会は理事の変更登記を、理事の退任や選任が生じてから2週間以内に登記をしないといけないことになる。
と、人前で自信を持って言えほどの理論武装をすることができるようにはなりました(整備法48条1、2項、77条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法302条2項5号、303条)。
本来、花博記念協会は、理事の退任や選任から 2週間以内に、協会が所在する大阪市鶴見区を管轄している大阪法務局に、理事の変更登記をしないといけないことになります。
ですが、花博記念協会は、宮前保子氏ほか、新たに理事の選任された方の就任登記、理事を退任された日尾野興一氏や 三井康壽氏の退任登記をしていません。
が、しかし、これは単に、法令(整備法など)を違反し、本来しなければならない登記を怠っているだけのこととなります。
経団連の名誉会長や、大阪府副知事・大阪市副市長といった大物を理事に迎えている花博記念協会が、理事の変更登記を、何ヶ月も怠っているという事態が起きているなどとは、考えがたいことではあります。
しかし、整備法等の関係法令条文を確認していく限り、花博記念協会は登記の懈怠をしていることと理解せざるを得えません。
でも、もしかすると、私がどこかで根本的な間違いを犯しているかもしれません。
私の間違いに気付かれた方がお見えでしてなら、間違いの指摘をよろしくお願いいたします。
微妙な広告 [はてな?]
中日新聞の朝刊に昨日(22日)に掲載されていた弁護士事務所の2段広告に目を引かれました。
下がその広告です。
広告では、末尾に「愛知県弁護士会所属 弁護士法人〇〇〇法律事務所」と書かれているので、弁護士法人〇〇〇法律事務所が、広告主になっていることは分かります。
ですが、広告では、「弁護士登録番号36×××号」、
「借金問題なら『〇〇』に訊け」という見出し、〇〇弁護士らしき個人の写真が掲載されていて、
〇〇弁護士個人をアピールするかのような広告表現が盛り沢山となっています。
そのため、私は、てっきり、「弁護士〇〇〇法律事務所は、〇〇弁護士の一人法人なのかな」と第一感、思ってしまいました。
ですが、よく広告を見てみると、
名古屋 / 東京 / 札幌 / 大阪 / 福岡 / 鹿児島
と書いてあります。
名古屋以外にも、東京、札幌、大阪福岡、鹿児島に従たる事務所があるというわけです。
そこで、弁護士法人〇〇〇法律事務所について、日弁連の法人情報検索で調べてみました。
その検索結果をキャプチャーしたのが下図です。
弁護士法人〇〇〇法律事務所の届出番号は439番。
弁護士法人〇〇〇法律事務所の主たる事務所は、東京都中央区銀座。
この銀座の事務所に所属する弁護士は1名で、それが〇〇〇弁護士。
愛知県に存在する法律事務所は、弁護士法人〇〇〇法律事務所の従たる事務所。
この愛知県に存在する法律事務所の、登録されている事務所名は 「弁護士法人〇〇〇法律事務所名古屋事務所」。
この名古屋事務所に所属する弁護士は、登録番号36×××番の〇〇弁護士ではなく、
登録番号45×××番台の△△弁護士。
広告を読むと、〇〇弁護士が直接、事件処理をしてくれるかと誤解をしてしまいそうですが、そうではないようです。
「借金問題なら『〇〇』に訊け」とは、〇〇弁護士個人に訊けということではなく、
「〇〇法律事務所」に訊けということのようです。
よく分かりませんが、この広告の程度の不正確さであれば、日弁連の広告規程上はセーフになんでしょうか。
インターネット版官報の見出し [はてな?]
本日(7月13日)の官報では、裁判官2名の人事異動が掲載されています。
しかし、人事異動欄には、「最高裁判所」の(小)見出しが付けられていません。
インターネット官報の人事異動の見出しも、官報の本文と同様に、
「(人事異動) 内閣 消費者庁 法務省 環境省 会計検査院 ……… 10 」
となっているたけです。
そのため、官報の人事異動欄を、こまめに読み込んでいれば気付いたのでしょうが、
インターネット官報の人事異動の見出しだけを見てたりすると、最高裁の人事異動を漏らしてしまいます。
スペースが足りなくて、1行分削る必要があったために、「最高裁判所」の見出し1行分削られることになったのでしょうか。
ふーん、こんなこともあるんですね。
身辺警戒員 [はてな?]
先月7日の中日新聞夕刊に「暴力団排除へ警戒員を創設 愛知県警」 という記事が掲載されました。
記事の出だしは、
暴力団排除活動に取り組む民間人を報復から守るため、愛知県警は身辺警戒委員(PO = Protection Officer )制度を創設し、7日に主に暴力団捜査を担当する捜査員194名を任命した。PO設置は東海三県で初めて。規模は警視庁、兵庫に続き全国三番目。
となっていました。
中日新聞の記事はネットで読むことが出来ませんが、Yomiurionlineの中部発の記事(「暴力団被害許さぬ 愛知県警に身辺警戒員」)と毎日jpの愛知版の記事(「身辺警戒員 :暴力から市民守る 県警が194人指定 / 愛知」は現在も閲覧可能ですので、お読みいただけば記事の雰囲気は分かると思います。
愛知県警の活動を称賛した、いわゆる提灯記事の類のものと言えますが、
注目すべき点は、記事の
PO設置は東海三県で初めて。規模は警視庁、兵庫に続き全国三番目。
という部分です。
「身辺警戒員」をキーワードにしてグーグル検索してみますと、身辺警戒員に、佐賀県警が今年1月17日に121人を指定したとか、4月17日に大阪府警が80人を指定したとか、5月10日に奈良県警が54人を指定したとか、6月1日に埼玉県警が60人を指定した
また、警視庁が身辺警戒員約500人を指定しているとか、兵庫県警が4月2日に198人を指定したとのかの記事がヒットしてきます。
記事を一読するだけでは、「愛知県警のPOの設置は、全国に先駆け率先的に設置がされたもので、かつ、規模も、東京と(山口組の本部がある)兵庫に続く、全国№3の大々的なものだ」という内容の記事が書かれているものと誤解してしまいます。
愛知県警の身辺警戒員の指定は、岐阜、三重よりは早かったようですが、東京、佐賀・大阪・奈良・埼玉・兵庫に後れを取ってり、身辺警戒員の指定は、早くても、全国七番目でしかありません。
身辺警戒員の指定された人数が、東京(警視庁)約500人、兵庫198人についで、愛知が194人ということで、規模は全国第3位になるようです。
ですが、大阪府警が指定した身辺警戒員の人数は80人しかいません。
愛知が大阪の2倍も、暴力団関係者の数が多いということはないでしょう。
身辺警護員の規模は、大きいことにどんな意味があるのでしょう。意味なんか余りないんではないでょうか。
愛知県警の広報としては、広報なんだから、「PO設置は東海三県で初めて。規模は全国三番目。」とアピールするしかないのでしょうが。
でも、ちょっと恥ずかしくないでしょうか。
この身辺警戒員の創設について、中日新聞は、
暴力団排除条例が全国で施行される一方、福岡県で企業幹部や県警OBを狙った襲撃事件が相次ぎ、警察庁が昨年12月に創設を指示していた
と報じています。
記事中の「警察庁の指示」とは、「平成23年12月22日「保護対策実施要項の制定について(依命通達)」による指示のことなります。、
中日の記事にもありますように、福岡の北九州市では、襲撃事件が続発しています。先日も、住宅地の倉庫からロケット砲が見つかったという報道もありました。
大規模な身辺警戒員が必要となっているのは、まさに福岡県警ということになりますが、現時点で福岡県警は、身辺警護員の指定をしていないようです(福岡県警のホームページ)。
身辺警戒員の指定をすると、その身辺警戒員を狙った襲撃事件が惹起されるのではないかということが危惧されてのことなのでしょうか。