弁護士の身分証明書 [豆知識]
10年近く放置してあった預金の解約のため 三菱東京UFJ銀行に行ってきました。
銀行が送ってきてくれたお知らせ には、「キャッシュカード・お届出印を紛失されている場合にお持ちいただくもの」として、
(1) 本人確認書類
個人のお客様 運転免許証・パスポート・健康保険証など
… (以下略)
と書いてあったので、国民健康の保険証を持ったところ、案の定、
「運転免許証など、写真が付いている証明書をお持ちではありませんか」
とたずねられました。
写真付きの証明書といっても、手持ちのものとしては、日弁連発行の「身分証明書」しかありません。
なのでそれを示したら、
「それでは駄目ですね」
という返事でした。
結局、写真付きの証明書を持っていないのなら、保険証でよいということで預金の解約は終えることができたのですが、
日弁連発行の身分証明書の通用力のなさを再確認させられました。
日本弁護士連合会会則 を読んでみると、
(会則を守る義務等)
第29条 弁護士は、所属弁護士会及び本会の会則、会規及び規則を守らなければならない。
2 弁護士は、その職務を行う場合には、本会の制定した記章を携帯しなければならない。ただし、本会の発行した身分証明書の携帯をもってこれに代えることができる。
と書かれています。
日弁連発行の身分証明証の携帯は、記章(弁護士バッジ)の携帯に代えることができるというだけということになります。
私は 弁護士の身分証明書が 何たるものであるかについて よく理解していないばかりか、誤解していました。
そもそもが、裁判所や警察、拘置所ぐらいでしか証明の用として使えない 代物 でしかないわけです。
契約書のコピーによる印紙代の節約 [豆知識]
通達印紙税法基本通達
第4節 契約書の取扱い
(同一の内容の文書を2通以上作成した場合)
第19条 契約当事者間において、同一の内容の文書を2通以上作成した場合において、それぞれの文書が課税事項を証明する目的で作成されたものであるときは、それぞれの文書が課税文書に該当する。
2 写、副本、謄本等と表示された文書で次に掲げるものは、課税文書に該当するものとする。
(1) 契約当事者の双方又は一方の署名又は押印があるもの(ただし、文書の所持者のみが署名又は押印しているものを除く。)
(2) 正本等と相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることの契約当事者の証明(正本等との割印を含む。)のあるもの(ただし、文書の所持者のみが証明しているものを除く。)
出生数と景気ないし失業 [豆知識]
という条件で、3者の相関を分析したところ、
経済成長率と出生率の間は 0.654 の強い有意な相関がある、完全失業率と出生率の間には-0.855の強い有意な負の相関がある、
という結果であったと記されています。
失業率と(2年後の)出生率とは-0.855の相関関係にあるということですから、「失業率が下がれば、出生率が上がる」とだけは言ってもよさそうです。
問題としていたのは景気と出生数でした。景気が良ければ、完全失業率は低くなっているでしょうが、経済成長率は高くなっていることが多そうではありますが、必ずしもそうでもなさそう。経済成長はしてないが、景気がよくなってきているということもありそうです。
「失業率が下がれば、出生率が上がる」とだけは言ってもよさそうだとしても、「景気がよくなれば、出生数が増える」とは言い切れるのかについてはよく分かりません。
ちなみに、完全失業率は、2013年 4.0%、2014年 3.6%、2015年 3.4%、2016年3月 3.2%ということですので、なにごとも起きなければ来年も出生率は上昇ということになるのでしょうかね(統計局ホームページ「労働力調査平成28年3月分」参照)。
カラスによる電力被害 [豆知識]
関電は「必要な措置は取っていた」などと争っていた。
地裁は 2011年(平成23年)3月、和解勧告をし、関電がステラ社に解決金50万円を支払う条件などにより、大阪地裁で和解(2011年7月(平成23年)22日付)した。
ということだそうです。他の和解条件は「関電が引き続き所有する電気設備の保守・保全に努める」など。関電には、この訴訟での賠償義務がないことも確認された。ステラ社は「主張はあるが、早期解決のため動き出すことが重要と考えた」、関電は「お客さまと裁判で争い続けることは好ましくない。法的責任はないことが和解条件に明記されたので応じた」。
◆相次ぐカラス停電 根本策なく苦戦カラスが針金ハンガーなどを集めて鉄塔や電柱に巣を作り、それが原因で停電が起きるケースは都市部を中心に相次いでいる。電力会社は対策を講じているが、苦戦を強いられている。(中略) 関西電力は、ヘリコプターや車を使って3か月に 1回の割合でパトロール。今年4月以降だけで約4000個のカラスの巣を撤去した。中部電力(名古屋市)でも 1年間の巣の撤去数は約1万個。巣が原因の停電などは年間約50件前後発生しているという。(以下、略)
と書かれており、中電では年間 約1万個のカラスの巣を撤去していることが分かりました。
電力会社による カラスの巣の撤去 (カラス駆除1) [豆知識]
鳥の巣について(1) 野鳥の巣を除去したい野鳥の巣は、卵やヒナがいるときはカラスやハトの巣を含めて、法により、むやみに除去することはできません。しかし、農作物の被害や生活環境被害があるとき、有害鳥獣捕獲許可を取って除去することができます。なお、巣の中に卵やヒナがいなければ有害鳥獣捕獲許可が無くても除去することができます。おもな鳥の巣立ちに要する期間は3から4週間程度ですので、緊急に巣を除去する必要がなければ、ヒナが巣立ってからの除去にご協力ください。
鳥獣の捕獲、鳥類の卵の採取(採取又は損傷)
ご遺体ホテル [豆知識]
今年1月のブログで触れましたが、田舎では考えられませんが、東京では死くなってから一週間後の葬儀などザラだということです(2016年1月21日のブログ「所変われば、葬儀は一週間後」)。
葬儀までの間、テレビドラマで出てくるような、遺体貯蔵庫のロッカーで遺体を保管してもらうことになるのだということですが、あまり気持ちがいい話ではないのでブログでは触れませんでした。
一週間も家で遺体を面倒を見ることなんて無理です。なので、話を聞いた際には、「さみしな話ではあるが、やむを得まい」と思いました。
しかし、その時には頭が及びませんでしたが、考えてみれば、遺体貯蔵庫での遺体の保管にはどうしても納得できないという人がそれなりにいて、そのような人たちの 何とかしてほしいという ニーズが転がっていてはずです。そして、そのニーズを汲み上げたサービスを提供する事業があってもおかしくありません。むしろ、なければおかしいです。
ロイターのニュースを見ていたところ、火葬までの間、遺体をきれいな状態で安置してほしいとの遺族の願いから、「遺体ホテル」という新たなサービスが登場したことを報じているニュースを見つけました (ロイター2016年5月2日「多死社会の日本で新サービス、『遺体ホテル』に脚光(字幕・29日)」)。
まさに それです。
動画に出てきている「遺体ホテル」は ここ になるようですが、 1日(24時間) 27,000円 → 9,000円(税込) という料金設定になっています。
想像していたよりも 安いと思いました。
「遺体ホテル」ですが、「遺体安置所 」に分類されることになるようです。
営業にあたっての規制を考えてみます。
倉庫業登録が必要であるかのような記述をネット上で見かけますが、倉庫業の登録は必要ではないことになるようです(倉庫業法第2条第2項では「倉庫業」とは「物品の倉庫における保管を行う営業」のことを言うが、ある営業行為の一部を取り出してみると「保管」といいうる場合でも、全体としてみると、「飼育」「供養」等他の行為であると認められる営業形態は倉庫業ではない、 ということになるからです。(北海道運輸局のサイト「倉庫業法施行令第1条で定める事業(倉庫業の定義から除外される事業)とは、次のとおりである」参照)。
建築基準法も、「遺体安置所」ということで特別に規制が過重されることはないようです。
「遺体ホテル」を開業するにあたり、法律上の規制はないようです。(間違っていたら、誰か指摘してください。)
条例ではどうでしょうか。
開業予定地の地方公共団体がどのような条例を定めているかによりますが、動画の「遺体ホテル」の場合ですと、川崎市に所在するので、「川崎市葬祭場等の設置等に関する要綱」に従った事前協議が要求されていますが、実際に開業しているわけで、要綱に従った事前協議済ということになるのでしょう。
自転車保有台数は 約 7200 万台 [豆知識]
日本における自転車保有台数は 約 7200 万台ということが 官庁における 共通認識 だということになるようです。
下のグラフは、国土交通省「平成26年度 政策レビュー結果(評価書)」「平成27年3月『自転車交通』」9頁「図1 自転車保有台数の推移」を引用したものですが、グラフは自転車の保有台数が平成25年(2013年)は 71,551千台 であることを示しています。
自転車保有台数のデータは、警察庁の「自転車施策をとりまく環境」で引用されている「■ 自転車保有台数の推移」や、総務省の「自転車交通安全対策に関する行政評価・監視(PDF)」「図表 1-⑴-① 我が国における自転車保有台数の推移(昭和45年~平成25年)」でも確認することができますが、それらはいずれも国交省と同じデータが使われています。
■ 自転車保有台数は、自動車保有台数より多く 平成17年で約8,700万台である
昭和45年から平成20年までは 一般社団法人自転車協会 資料
盗難自転車の被害回復率 [豆知識]
盗難に遭った自転車が、被害届を出した持ち主に返還される割合を「被害回復率」と言うそうですが、どの程度のものなのでしょうか。
公表された資料がなかなか見つけることができません。
そう思っていたところ、国交省の「自転車をとりまく話題(参考)」という資料の10頁に、「防犯登録数と自転車盗の推移」と題した、北海道警察での平成8年から平成17年までの10年間の 自転車の防犯登録数、自転車盗の件数、被害回復率をグラフ化した表が掲載されているものを見つけることができました。
下に引用したものがその表をキャプチャーしたものとなります。
被害回復率は 27%から42% に上昇、自転車盗は27,574台から12,147台へ約6割減したということです。
他の都道府県警察はどうかと調べたところ、警視庁も「乗り物盗被害回復」という統計資料を作成していて、回復率として 25% という数字が記されていることを見つけました。
ですが残念なことに、警視庁の乗り物被害回復率は、自転車、オートバイ、自動車等の乗り物を全て含めた回復率のことで、自転車だけの被害回復率はこの資料からは分かりません。
そうこうしているうちに、岩手日報が2009年(平成21年)11月26日朝刊の「盗難自転車の返還率 本件80%前後 全国トップ級 交番、駐在所努力実る」という記事があることが分かりました。
新聞・雑誌記事横断検索で記事を確認したところ、
「盗難に遭った自転車が、被害届を出した持ち主に返還される割合を示す「被害回復率」で、
岩手県は 過去 5年間、被害回復率は 80%で推移しており、全国平均の約2倍 」
と記事に書いてあることを確認することができました。
平成19年当時、被害回復率は、全国平均で 40% 程度 であったことはこれで、何とかはっきりしました。
自転車の防犯登録の意味 [豆知識]
自転車の防犯登録には、どういう意味があるのだろうかについて、東京都自転車商防犯協力会のホームページの「防犯登録Q&A」を見ながら考えてみました。
「Q1 必ず登録しないと行けないのでしょうか?」では、
「A 法律により「自転車を利用するものは、その利用する自転車について国家公安委員会の規定で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録を受けなければならない」と義務化されています。
罰則規定ははありませんが、登録をしていれば盗難に遭った時、自転車がもどりやすくなります。」(以下略)
という説明がされています。
これは、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」では、第12条第3項が「自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録(以下「防犯登録」という。)を受けなければならない。」と規定していますが、同法には罰則がないので違反があっても罰せられないということを言っているわけです。
説明では、(防犯)「登録をしていれば、自転車盗に遭った時、自転車がもどりやすくな」るとの説明がされていますが、防犯登録シールが剥がされて残っていなければ、誰の自転車なのかはわかりません。
なので、「登録をしていれば」ではなくて、「防犯登録シールが剥がされていなければ」というのが 正しい説明なのでしょう。
自転車の防犯登録は、登録しようとする側からみれば、その程度のものでしかないことになります。
「なーんだ」ですが、費用は 500円程度なので、私も含め多くの人は、深く考えることなく、自転車屋の勧めにしたがって、防犯登録しているんでしょう。
登録するサイドからは その程度なのですが、盗難自転車を取り締まるサイドから見ると違った姿が見えてきます。
下図は平成27年版警察白書に掲載されている「1-1-2-2図 平成26年 窃盗 認知件数の手口別構成比」 ですが、
自転車盗の認知件数 は圧倒的なボリュームを占めていることがわかります。
窃盗の認知件数の約3分の1が 自転車盗 です。
あやしそうな奴に職務質問をして、自転車盗を見つけているのでしょうが、
防犯登録シールを剥がされてたりすると、調べようがありません。
シールを剥がして盗難自転車に乗るような(犯罪傾向が進んでいる)者を、職務質問で検挙できてないのではないだろうかという疑問はありますが、
防犯登録が 自転車盗の検挙 に役立っていることは間違いないようです。
立法爆発 [豆知識]
富士通総研経済研究所榎並利博氏の分析によると、
「我が国における法律の数は1950本(2015年8月1日現在)にも達し、憲法や政省令などを含めると8000本を超える。1970~80年代の法律が1000本前後であったことを考えると、この30~40年間で倍増したことになる。 」
そうです (法と経済のジャーナル2015年9月18日、榎並利博氏「近年の『立法爆発』で法律は『スパゲティー状態』の限界に」「立法爆発と法律のオープン化 第1回 立法爆発の実態と専門家の限界」論文参照)。
それだけでなく、法律の改正も、1980年代から年間200本を超える大量の法改正が見られるようになっているそうです。
このような法律の制定や改正法が増加している現象を「立法爆発」 と呼ぶそうです。
チェックには限界があり、法令の条文ミスも やむ無しということらしいです。