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江戸の貧民 [読書]

「雲右衛門事件」と言えば、民法の不法行為法の教科書に必ず 出てくる裁判例ですが、「雲右衛門事件」の「雲右衛門」とは 桃中軒雲右衛門  のこと。

雲右衛門の曾孫、岡本和明氏が著した 雲右衛門の伝記 「俺の喉は一声千両」では、
   
雲右衛門が明治初年に 東京の貧民窟(下谷万年町、四谷鮫ケ橋、芝新網町、新宿南町)の一つであった 芝新網町の出であったことが しつこく触れられていました。
   
「貧民窟とは どんなところであったのか」、怖いもの見たさなのか貧民窟に関心が湧きました。そこで読むことなく放置していた 塩見鮮一郎氏著「貧民の帝都」 に手をつけました。
    
私が 何も知らず、東京の四大貧民窟があった場所を 通り抜けていたことを知って、驚くとともに、酷い貧民の生活状況に悲しくなりました。江戸期における貧民のことを知りたくなり、江戸に遡り、 「江戸の貧民」 の方も読みました。
      
「江戸の貧民」では、   
江戸期における 穢多、非人が、種々のお役を命ぜられていた反面、特権が与えられていたこと、幕府の統治機構の末端に連なる存在であったが、それが明治となり 特権が剥奪されて ちりじりになってしまったということ、貧民(制度)が貧民のセーフティーネットの役割を果たしていたことが述べられており、
 
新たな知見を得ることができ、理解も深まったのではないかと思います。
     
江戸時代は、決して 否定されるべき暗黒の時代ではありませんでした。
          
    
「江戸の貧民」のアマゾンの書評は2つしかありませんが、読書メーターの書評の方は49あり、それなりに好評を博しているようです。
   
  
 
 

江戸の貧民 (文春新書)

江戸の貧民 (文春新書)

  • 作者: 塩見 鮮一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: 単行本


貧民の帝都 (文春新書)

貧民の帝都 (文春新書)

  • 作者: 塩見 鮮一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 新書

 

証拠品の現金300万円の管理状況 [報告]

証拠品の現金を横領した横浜地検の検察事務官は、今月16日、窃盗罪で起訴され、懲戒免職となったということです(NHK NEWS WEB2016年5月16日「証拠品300万円盗む 検察事務官を免職  横浜地検」)。
   
記事では、 
  
事務官が調べに対し「現金は、証拠品を扱うかばんに入れて持ち出した。現金が入っていた封筒は再びのり付けして元の場所に戻した」と供述しており、
   
横浜地方検察庁次席検事が「再発防止のため、証拠品の部屋には1人で入れないよう設備を整えた」と話している
  

ことが述べられています。

 

この記事から、証拠品の保管状況に関しては、証拠品を保管する部屋に一人で入室が可能であったことだけは分かりました。

ですが、証拠品が 現金300万円のような貴重品の場合、金庫において管理されていたのかどうか、施錠されていたのかどうか、誰が鍵を管理していたのかどうか、は全くわかりません。

 

今月1日のブログ(「検察事務官、証拠品の窃盗」) では、法務省が「証拠品事務規程」を定めており、「第3章  保管事務」では、   

(証拠品の保管者)
第13条  証拠品(換価代金を除く。)の出納保管は、証拠品係事務官が行う。   
    
(立会封金)
第15条  証拠品が押収物たる通貨であるときは、証拠品係事務官は、所属課長等立会いの上でその金額、種類及び数量を封筒の表示と対査し、立ち会った所属課長等と共に封筒に封印する。
   
(証拠品の保管場所)
第16条  証拠品(換価代金を除く)は、倉庫又はこれに代わる場所に納めて保管する。
         
2  次に掲げる証拠品は、倉庫その他堅ろうな容器又はこれに代わる施錠できる設備に収納して保管する。
(1)  通貨、証券、貴金属その他の貴重品と認められる物
   
(2)  劇毒物、けん銃その他の取扱い上危険と認められる物
   
(3)  覚せい剤、麻薬その他 これに類する物

と定めていることに触れていましたが、記事からは管理状況が結局 ほとんど何も分かりません。

 

事務官の公判の記事待ちのようです。    

 


消費増 10 %引き上げ予定どおり行う ? [感想]

昨日(18日)午後3 時40分に配信された産経ニュースの「安倍首相、消費税10%引き上げ『予定通り行う』  リーマン・ショック、震災級起こらない限り」は、

安倍首相が、民進党の岡田克也代表との党首討論で来年 4月に予定されている消費税10%への引き上げについて、

「リーマン・ショック、大震災級の影響あるできごとが起こらない限り、予定通り引き上げを行っていく。

そういう状況であるかないかは、専門家の議論もいただき、適宜適切に判断していきたい。」と述べた

と報じていました。

この記事だけでも、安倍首相が消費税を10%に引上げることの決意表明をしたかのように読めますが、

その記事の党首討論の数時間前に、菅官房長官が「消費税10%への引き上げは予定どおり実施する方向には変わらない」と述べたとの記事も配信されています(産経ニュース2016年5月18日12:13「菅官房長官『消費増税予定通り実施変わらない』」)。

 

こんな記事を読まされた 少なくない読者が 「消費税10%は延期ではなく、来年4月に実施されることに決まったのだ」と思ったのではないかと思います。

 

しかし、YouTube に NIPPON CHANNEL03 が投稿している、昨日18日の党首討論の模様(岡田克也・民進党vs安倍晋三総理《党首討論》【国会中継 衆参両院 国家基本政策委員会合同審査会】2016年5月18日」)を見てみると、

これまでと状況は何も変わっていません。

岡田民進党代表が、安倍首相に対し「「消費税増税を再び延期することはないと言っていたがその考えに変わりはないか」と問い質し、安倍首相が「その考えに変わりはない」と答えているやりとりがされているだけのことです。

 

産経は、なぜ読者の誤解を招くような 記事の配信をするのでしょう。

 


カラスによる電力被害 [豆知識]

電柱のカラスの巣を 中部電力が 迅速に撤去してくれたことを昨日のブログで触れましたが、
   
「儲けにはならないのに、なぜ中電は 迅速に対応してくれたのだろうか」とは思いませんでしたでしょうか。
 
    
カラスの電柱での営巣に関し、「カラス」「電柱」をキーワードとしてGoogleのニュース検索をしてみると、結構、たくさんのニュースが 検索結果 として出てきます。
     
ニュースからは カラスの巣のせいで電線がショートし、停電が発生する被害が 頻発していることがわかります。
     
この停電による被害について、電力会社は利用者に賠償しているのでしょうか。
      
そうでなければ訴訟が起きていてもおかしくないはずです。そんな発想で、今度は 「カラス」「訴訟」をキーワードにしてGoogle 検索をしてみました。
  
すると、検索結果のトップに、「関西電力カラス巣作り訴訟」 と題する ウィキウペディアの項目が現れました。
   
何のことか分かりませんでしたが、 

上場している「ステラケミファ」(大阪市中央区)が、関西電力を被告として、ステラ社が関電から供給を受けていた電力の電圧低下によって生じた損害約1000万円の損害賠償を求めた訴訟のことだということです。
    
カラスが巣作りのため運んだ針金が原因だったとして2008年(平成20年)10月に提訴し、ステラ社は「鉄塔に作られたカラスの巣が原因で停電が多発しており、送電トラブルの発生は容易に予見できた。巣作りが活発になる時期に重点的に点検するなどすればトラブルは防げた」などと主張して提訴したということです。
     
ただ、ウィキぺディアの記事は更新されていないのか 訴訟の結果がわかりません。提訴から 7年半経過しているので、訴訟が終わっていないとは考えにくいところです。
       
   
気になり、新聞雑誌記事検索を使って確認してみたところ、読売新聞の「『カラス訴訟』 関電が和解  解決金50万円」という 2011年(平成23年)7月30日大阪朝刊33頁(全351字)があることが分かりました。
   
その記事によると、

関電は「必要な措置は取っていた」などと争っていた。
   
地裁は 2011年(平成23年)3月、和解勧告をし、関電がステラ社に解決金50万円を支払う条件などにより、大阪地裁で和解(2011年7月(平成23年)22日付)した。
   
他の和解条件は「関電が引き続き所有する電気設備の保守・保全に努める」など。
    
関電には、この訴訟での賠償義務がないことも確認された。
  
ステラ社は「主張はあるが、早期解決のため動き出すことが重要と考えた」、関電は「お客さまと裁判で争い続けることは好ましくない。法的責任はないことが和解条件に明記されたので応じた」。
   
ということだそうです。
  
     

電力会社としては 「必要な措置を取っていた」と言い張れるよう、迅速な対応をしていたことになるようです。
   
   
    
 
余談ですが、 新聞雑誌記事横断検索で、「関西電力カラス巣作り訴訟」に関する記事を検索していたところ、読売新聞の「『カラスの仕業』  電力会社に責任?  化学メーカーと関電   3年越し訴訟」という2010年(平成22年)12月7日付大阪朝刊の記事を見つけました。
   
その記事では、
 
◆相次ぐカラス停電 根本策なく苦戦
 
カラスが針金ハンガーなどを集めて鉄塔や電柱に巣を作り、それが原因で停電が起きるケースは都市部を中心に相次いでいる。電力会社は対策を講じているが、苦戦を強いられている。
 
(中略) 関西電力は、ヘリコプターや車を使って3か月に 1回の割合でパトロール。今年4月以降だけで約4000個のカラスの巣を撤去した。
 
中部電力(名古屋市)でも 1年間の巣の撤去数は約1万個。巣が原因の停電などは年間約50件前後発生しているという。(以下、略) 
    

と書かれており、中電では年間 約1万個のカラスの巣を撤去していることが分かりました。


電力会社による カラスの巣の撤去 (カラス駆除1) [豆知識]

数年前、 中部電力に電話を入れて、カラスが電柱に作っていした巣を撤去してもらったことがあります。
   
翌日には巣を 作業車が来て、職員が巣を撤去していきました。迅速な対応に感心しました。
    
たまたま、中部電力のホームページに 「カラスの営巣に伴う営巣に伴う通報(協力)のお願い」 を見つけて中電しただけで、そうしたところ思いのほか早く撤去してくれたため、何の気付きを得ることなく、「よかった、よかった」でそのまま記憶から消え去りました。  
   
    
   
今考えてみると、電力会社が電柱のカラスの巣を撤去するのは、 鳥獣保護法 には触れないのか、とか いろいろなことが頭をよぎります。
   
    
実は私もよく理解していませんでしたが、電力会社が電柱から巣を撤去することは、「巣の撤去だけであれば鳥獣保護法には違反しない」というのが答えとなります。
  
  
名古屋市のホームページの「野生鳥獣の保護と生態」にも、
       
鳥の巣について 
   
(1) 野鳥の巣を除去したい  
 
野鳥の巣は、卵やヒナがいるときはカラスやハトの巣を含めて、法により、むやみに除去することはできません。しかし、農作物の被害や生活環境被害があるとき、有害鳥獣捕獲許可を取って除去することができます。
なお、巣の中に卵やヒナがいなければ有害鳥獣捕獲許可が無くても除去することができます。おもな鳥の巣立ちに要する期間は3から4週間程度ですので、緊急に巣を除去する必要がなければ、ヒナが巣立ってからの除去にご協力ください。
   
と しっかり書いてあります。
      
   
とういうことかですが、カラスの巣の撤去の関係で、鳥獣保護法が問題となるのは、鳥獣の捕獲や鳥類の卵の採取を規制する第8条、第9条ですが、そこでの規制は、
     
鳥獣の捕獲、鳥類の卵の採取(採取又は損傷)
   
です。
    
カラスを捕獲することなく、カラスの卵を採取損傷させないのであれば、カラスの巣を撤去したとしても 鳥獣保護法には違反しないということになるわけです。
 
      
    
   
(参考) 
 
   
(鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の禁止)
   
第8条
 
1  鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。    
   一  次条第一項の許可を受けてその許可に係る捕獲等又は採取等をするとき。    
   二  (以下略)
   
   
(鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可)
第9
 1   学術研究の目的、鳥獣の保護又は管理の目的その他環境省令で定める目的で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、次に掲げる場合にあっては環境大臣の、それ以外の場合にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。
  第二十八条第一項の規定により環境大臣が指定する鳥獣保護区の区域内において鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をするとき。(以下略)
     

ふるさと納税、品目自粛を求める総務省の通知 [感想]

ふるさと納税」に関して、ゴルフ用品や家電製品など一部の返礼品を自粛するよう求める総務省の通知が今年2016年4月に発出され、ゴルフ用品や家電品をふるさと納税の返礼品としようとしていた自治体に波紋を呼んでいるそうです(YOMIURI ONLINE2016年5月12日「『地場産業振興なのに』  ふるさと納税『一部品目自粛』」) 。

総務省市町村税課は、返礼品の転売や換金が相次いていて、「税額控除が受けられる寄付金という制度にふさわしくない」と判断して通知を発出したということだそうです。

今や、ふるさと納税の返礼品として、ゴルフプレー券や、家電 を貰えたりします(ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」参照)。 

 

ソニーのバイオを返礼品に予定する自治体もあったりして、どこかで歯止めを掛ける必要があったのではないかと思います(PC WATCH 2016年3月31日「長野県安曇野市ふるさと納税返礼品として VAIO Z/S など6機種が追加」参照)。

なので通知が発出されたのもやむを得ないことではないかと思いました。 

         

ところで、新聞記事に出てくる通知とは、総務省自治税務局市町村税課が平成28年4月1日に発出した総税市第26号の「地方税法の施行に関する取扱いについて(市町村税関係)の一部改正について」(総税市第26号総税市第26号(別添))のことで、

「地方税法施工に関する取扱について(市町村税関係)」の「第2章  市県民税」「第2節  課税標準及び税率」「第4 税率及び税額の計算」の 「24の7」では「ふるさと納税に関する事務の執行に当たっては、次の諸点に留意すること。」として(1)イの箇所で、

ふるさと納税は、経済的利益の無償の供与である寄附金を活用して豊かな地域社会の形成及び住民の福祉の増進を推進することにつき、通常の寄附金控除に加えて特例控除が適用される仕組みであることを踏まえ、次に掲げるようなふるさと納税の趣旨に反するような返礼品(特産品)を送付する行為を行わないようにすること。

① 換金性の高いプリペイドカード等

② 高額又は寄附額に対し返礼割合の高い返礼品(特産品)

と規定されていましたが、それに、「②の資産性の高いもの(電器・電子機器、貴金属、ゴルフ用品、自動車等)」が加えられて、次のように変更されています。       

ふるさと納税は、経済的利益の無償の供与である寄附金を活用して豊かな地域社会の形成及び住民の福祉の増進を推進することにつき、通常の寄附金控除に加えて特例控除が適用される仕組みであることを踏まえ、次に掲げるようなふるさと納税の趣旨に反するような返礼品(特産品)を送付する行為を行わないようにすること。

① 金銭類似性の高いもの(プリペイドカード、商品券、電子マネー・ポイント・マイル、通信料金等)

② 資産性の高いもの(電気・電子機器、貴金属、ゴルフ用品、自転車等)

高額又は寄附額に対し返礼割合の高い返礼品(特産品)  

 

通知なので強制力はなく、最終的判断は各自治体の判断に委ねられると記事には書かれていますが、返礼品を予定していた自治体はどうしたのでしょう。 

 


紳士服チェーン店の異業種参入 [報告]

紳士服のチェーン店は、異業種への参入が急だということです(J-castニュース「紳士服店、続々『焼き肉』『カラオケ』に変身  市場縮小のなかの『多角化』事情」)。 
    
粗利率60% と言われている紳士服業界でも、少子高齢化によるマーケットが縮小していくことへの対策が必要かつ急務というわけです。
      
   
異業種参入が進んでいる AOKIホールディングス の場合ですと、漫画喫茶「快活CLUB」、カラオケボックス「コート・ダジュール」、ブランド結婚式場「アニヴェルセル」を運営していて、非スーツの売上は 約4割 になっているそうです。
     
    
紳士服チェーン首位は「洋服の青山」を展開する青山商事ですが、青山商事は多角化が遅れており、非スース売上は 約2割に過ぎなかったそうです。
 
そのため昨年12月に、靴の修理や合鍵を手掛ける「ミスターミニット」を運営する「ミニット・アジア・パシフィック」を、投資ファンドのユニゾン・キャピタルなどから、100億円を超える取得価格で買収したのだと言われています(日経「青山商事、収益多角化と海外開拓狙う  ミスターミニット買収」)。 
 
 
日経の記事によると、ミニット社の2015年3月期の売上高は113億円。
 
青山商事の買収価格は100臆円超ということでしたので、ミニット社の年間売上高が買収価格であることになります。えらく高いのではないかと、最初は思ったのですが、たまたま「何年分かの利益」≒「年間売上高」という金額になっただけのことなのだろうと思い直しました。
     
えらく儲かっている会社の買収価格は こんなことになるのでしょう。
    
    
ミスターミニットのホームページの店舗検索のページには 「約300店舗を展開している」と書いてありますので、1 店舗当たりの年間売上高は、概算、
    
 
113臆÷ 300店舗≒ 3766万円
   
ということになります。
   
数坪の敷地で月換算 300万円  の売上げを叩き出しているわけですから、人件費等の諸経費の支払いを勘案したとしても、相当 儲かっていそうだとの想像ができます。
     
 

ある物損事故の訴訟でのこと [驚き]

物損事故の損害賠償訴訟の控訴審でのこと。
   
相手方から提出された書証の内容を確認したところ、第一審で提出されていたものとほぼ一緒のものであることに気づきました。

第一審では、書証の標目を「見積書」として、A4×1枚の相手方車両の修理見積書に、A4×6枚に計35枚の写真が貼付された、自動車の損傷箇所を撮影した写真帳を合わせた 計7頁のものが提出されていましたが、
 
今回、控訴審では、証拠の標目を「写真」として出されたものが、その「見積書」の写真(帳)の部分を 出してきたものでした。
 
       
なぜ、そのようなことをするのだろうかと怪訝に思い、 内容の確認を進めたところ、 5頁目の体裁が 少し違っていることに気付きました。
      
   
下の画像は、第一審と控訴審で提出された写真(帳)の5頁目をスキャナーで読み取ったものです(ただし、下の画像の赤線の囲みは私が 識別しやすいように付しています。)
 
キャンプション が下にだけ 付けられていることが確認できるかと思います。
    
改竄 ? 
 
    先.jpg   
              (乙6として既に提出されていたもの)
   
    後.jpg
                (乙15として控訴審で提出されたもの)
 
       
       
下の写真は、どのようなキャプションが書き加えらているのかが読み取りできるよう、5頁の左側の1、2段目部分を示したものです。

 
         先(左1、2段目).jpg   
         (左側画像の左側1、2段を拡大したもの) 
     

     
         後(左1、2段目).jpg
              (右側画像の左側1、2段を拡大したもの)
 
                    
                               
     
こんなことを してくることに 驚きます。
  
取材歓迎   
        
 

犯人隠避の仙台高裁の無罪判決 [速報]

知人男性の酒気帯び運転を隠そうとして、自分が車を運転していたと虚偽の説明をしたとして、犯人隠避罪に問われた宮城県の女性被告の控訴審の判決公判があり、仙台高裁の嶋原文雄裁判長が「男性が運転手であることについては合理的に疑いが残る」として、懲役1年(執行猶予3年)を言い渡した仙台地裁古川支部判決を破棄し、無罪を言い渡したとのことです(産経ニュース2016年5月12日「40代女性に逆転無罪  仙台高裁、犯人隠秘の1審破棄」)。

無罪判決は、エアバックから検出された体液のDNA型が、女性のものとしか一致しなかったことが決め手となったようです。

 

エアバックに付着する体液についてのDNA鑑定を高裁で行ったのだろうかとの感想を持ち、他紙を確認してみました。

そうしたところ、河北新報が、

弁護側は逆転無罪に「完全勝利だ」と強調。弁護側の主張を裏付けるDNA型鑑定の結果を知りながら、犯人隠避罪で起訴した仙台地検の対応について「事実認定があまりにもひどすぎる」と批判した。

と報じていることが分かりました(2016念5月11日「40代女性に逆転無罪 仙台高裁、犯人隠避の1審破棄」)。

エアーバッグのDNA型鑑定を、公判前に捜査側はしており、「エアーバックからは女性のDNA型は検出されなかった」との鑑定結果の内容を把握していたということのようです。

ただ、記事からは、エアーバックのDNA型鑑定の鑑定書が、第一審の仙台地裁古川支部における審理の際に、既に、証拠として提出されていたのか、それとも、そうではなくて、控訴審の仙台高裁で初めて、顕出されたものであったのかは、河北新報の記事からは明らかではありません。隔靴掻痒です。

 

答えを知りたいと思い、他紙を調べたところ、共同通信が配信していることが分かりました(2016年5月11日「酒気帯び運転で身代わり逮捕 女性に逆転無罪『運転身代わり』逆転無罪)。

鑑定書が地裁で提出されたいたのかどうかは分かりませんでしたが、次のことが分かりました。 

女性の弁護人によると、2013年4月、加美町で女性と交際男性が乗った車が消火栓に衝突した。男性は事故現場から立ち去り、1年以上たってから女性だけが逮捕、起訴された。

 

これが起訴までの経緯になるようです。

 


14 mの杭を 16 m打ち込む [困惑]

建物を支える杭の一部が支持層に届いていないため建物が傾いた、横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」について、問題の杭 8 本の施工不良が基礎付けられたと、先月初旬に報じられました(産経ニュース2016年4月4日「くい6本未到達、2本深度不足 再調査結果 施工不良裏付け」)。
     
記事の内容は、元請けの三井住友建設が「斜めボーリング」と呼ばれる手法で再調査したところ、
くい 6 本の支持層の深さは 16.26 ~ 17.76 メートルだったが、6 本とも支持層に届いていなかった、
別のくい2本の支持層の深さは 15.79 メートル と 15.98 メートルで、届いているものの深さが十分でなかった、
     

ことが判明したというものでした。

杭6本については、支持層の深さまでの長さが足りなかったということですので、杭の打ち込みはそれら 6本の杭の支持層の深さ(16.26~17.76 メートル)より短かったこととなります。

残りの、別のくい2本は支持層に届いていたが、その深さが十分でなかったということですが、

横浜市建設局が作成する「基礎ぐい工事問題に関する対応について」との資料2頁目に、旭化成建材が採用していたDYNAWING工法の説明を読むと、

「支持層と くい先端の距離が 1 m」となるまで 杭を挿入するようです。

したがって、こちらの 記事にある「別のくい2本の支持層の深さは 15.79 メートル と15.98 メートルで、届いているものの深さが十分でなかった」とは、

1本の杭は 15.79~16.79 メートル 打込まれており、もう1本の杭の方も 15.98~16.98メートル打込まれていた

とのことが書かれていることになります。

 

ところで、打ち込んだ杭の長さについて 昨年(2015年)12月、

「パークシティーLaLa横浜」の設計、施工をした元請の三井住友建設は 下請である旭化成建材に対し 14 メートルの杭を使うように指示していた

と報じられていたところでした(産経ニュース2015年12月3日「前の建物より4メートル短いくい使用を指示 三井住友建設」)。

 

三井住友建設が、事前に行った地盤調査の結果を基に、マンションで採用するくいの工法や太さなどを勘案し、14 メートルの杭で十分だと判断をし、14メートルの杭が使われることとなったということだそうです。

 

長さ 14 メートルの杭が、15メートル以上の深さにある支持基盤に届いていないのは当然のことなのですが、

杭の打ち込みの深さが足りなかったとされる2本の杭は 15.79メートル ないし 15.98 メートルの深さまでは間違いなく打ち込まれていることになります。

この2本ですが どのようにして 16メートル近く打ち込むのでしょう ?  

杭は 14メートル しかないわけですし。  

 

三井不動産レジデンシャルと三井住友建設が 横浜市に提出する 調査結果報告書 に目を通してみれば、その理由が分かるはずであろうと 待っていますが、   

調査結果報告書の提出期限が先月28日、再々度延期されることとなり、5月末から6月末へと変更されることになってしまいました( 日テレニュース2016年4月28日「杭データ改ざん  検証報告が3度目の延期」)。