投信窓販白書 [困惑]
日興アセットマネジメントは、2009年、2010年、2011年の3年にわたり、投信の販売を担当している銀行員の方の意識調査をまとめた 「投信窓販白書」 と題する冊子を発行していました。
このうち 2011年版の「販売担当者から見たお客さまの理解度」の意識調査には、次のよう項目があります。
まず、担当者から見た、顧客の金利と債権価格に関する理解度について。
「金利が上昇すると、債券価格が下落すること」を理解している顧客の割合は、
38%が 「世の中の投信顧客のうち7割以上が、金利と債券価格の関係が分かっていないのではないか」と、
また、41%が 「世の中の投信顧客のうち、半分から7割くらいが、金利と債券価格の関係が分かっていないのではないか」、
と思っているとのことです。
次に、分配金の理解ですが、
「分配金=資産の払い出し」だという基本的な理解ができていない顧客の割合は、
25%が 「実は大半(7割以上)の顧客はそうなのでは?」と、
35%が 「そういう顧客は実は半分から7割程度いそうな気がする」
と思っているとのことです。
この意識調査の結果だけから明らかですが、
投信を窓口販売している銀行員の方は、
商品(投資信託)の理解度が低い者に対して、商品を売っている
との意識は、しっかりとお持ちのようです。
(上図は、2011年投信窓販白書の9、10頁の質問項目と意識調査結果を引用したものです。)
「押し売り」は、まっとうな商売だとは当然、言えません。
だとしたら、投信を窓口販売している銀行員の方の意識としても、「投げ遣りなのではないか」と思ってしまいますが、
意識調査ではそんな結果にはなっていません。
不思議なことに、 9 割以上の方が投信ビジネスに前向きです。
優秀者の方を対象とした意識調査なので、弱音は吐けないだけなのかもしれません。
救いは「正直できればやりたくない」と思っている人が、16 % いるという点でしょうか。
(上図は、2011年投信窓販白書の13、5頁の質問項目と意識調査結果を引用したものです。)