SSブログ

LINE なんて使わないから関係ないけど  [感想]

教えてもらったことですが、 

無料で電話やメールを楽しめる 「LINE」(ライン)というスマホ向けのアプリが、

中高生の爆発的ブームになっているそうです。

NHKのニュースでは、国内で3600万人がダウンロードしたと運営会社が言っている、と言っていました(昨年12月25日の「LINE 掲示板で性犯罪被害 実態把握へ」、NEWSWEBのWEB特集「LINE通じて性犯罪被害も」)。

このNHKのニュースは、

LINE の運営会社とは無関係の外部の掲示板がインターネット上に次々に開設され、その掲示板が援交や売春に使われたりしていて、犯罪を助長しかねない書き込みが相次いでいること

とか、

未成年がLINEを通じて知り合った相手から性犯罪の被害を受ける事件も相次いでおり、

警察庁などによると、昨年(2012年)に事件化されたものだけでも、7つの都道府県で14件の被害が発生していること

とか、もっぱら、性犯罪被害に力点を置いた報道でした。

ですが、この「LINE」では、

犯罪とは無関係に、

アプリの初期設定の拙さから、

よく知らない人が「友だち」とされたりとか、

全然知らない人からメッセージが届いたりとか言った、

トラブルが頻繁に起きているようです(YIMIURIONLINEの昨年9月14日の記事「LINEでトラブルを防ぐ『設定5つのポイント』」)。

そんなトラブルを避けるには、「LINE」の設定を変えなくてはいけません。

具体的には、LINEをダウンロード後、

1  アドレス帳送信はパスする、

2  「友だち自動追加」機能はオフにする、

3  「友だちへの追加を許可」機能も 必ず、オフにする、

4  IDを設定している場合は「IDの検索を許可」機能をオフにする、

5  知らない人からのメッセージは「ブロック」とする

との各設定にしないといけません。  

そうじゃないと、勝手に友だちとされることになったり、知らない人からのメッセージが届いたりとか、

してしまいます。

ご注意下さい。


警察庁の日証協向け反社データベース [検討]

今月4日から 、警察庁と日本証券業協会(日証協)との間で、

証券会社で口座を開設する際に、申込者が暴力団組員かどうかを、証券会社側から警察庁のデータベースに照会できるシステムの運用

が開始されることになったということです(1月4日の日経電子版「証券会社に組員情報 警察庁、データベース運用開始」参照)。

反社情報を一元的に管理したデータペース(反社データベース)は、

警察庁が構築したもので、それを日証協が警察庁から使わせてもらうということになるようです。

反社データベースの構築は、企業の反社に対する取組みの一つという位置付けになりますが、

金融法務事情2012年1月25日号(No.1938)では、

「金融庁監督局総務課課長補佐國吉雅男氏が

「監督指針・監督方針のポイント各業態における反社排除の取り組み」

と題した、

金融庁が監督権限を有している銀行・証券・生保・損保の4つの業態における反社排除の取組み状況を概括的に説明した内容の論文

を投稿されています(同書35~43頁)。

下の図表は、国吉氏の論文から引用させていただいた、銀行・証券・生保・損保の各業態ごとの反社への対応状況を整理した表となります。

このうち、「共有データペースの構築」欄は、平成23年12月時における、各業界団体における反社情報を一元的に管理したデータペース(反社データベース)の構築状況を整理したものです。

業態毎の反社対応.jpg

この表から明らかですが、日証協以外の銀行・生保・損保の各業界団体は、自前で、反社データベースを既に運用しているか、あるいは運用時期が定まっています。

ですが、日証協についてだけは、「共有データベースの構築」欄には、

H21.5    反社スキームを開始

H22.5~ 警察庁と「迅速に情報提供を行う枠組みの構築」を検討中 

と書いてあるだけで、反社データベースが いつ構築されることとなっているのかが皆目不明です。

ところで、日証協の「共有データベースの構築」欄に、「H21.5 反社スキームを開始」と書かれている日証協の取り組みとは、何かと言いますと、

① 会員証券会社からの照会を (日証協が平成21年3月に設置した) 証券保安対策支援センターにて受け付け、

② 同センターから暴追センターまたは都道府県警察に照会を行い、

③ 証券保安対策支援センターにて暴追センターまたは都道府県警察からの回答を受付、

④ 証券保安対策支援センターから会員証券会社に回答を行う

というスキームで、 

会員証券会社から個別に「反社会的勢力の疑いのある者」の照会を受け付ける取り組み

のことだと國吉氏の論文では説明がなされています。

( なお、この日証協の証券保安対策支援センターを介した照会を受ける取り組みについて、國吉氏は、

証券保安対策支援センター内に固有の共有データベースを構築したものではないが、

このスキームによって会員証券会社は警察や暴追センターからより速やかに反社該当性に関する情報提供を受けることが可能となった

と評しています(42頁脚註28参照)。)

次に、日証協の「共有データベースの構築」欄に、「H22.5~ 警察庁と『迅速に情報提供を行う枠組みの構築』を検討中」と書かれているのは、何かと言いますと、

警察庁が平成22年5月26日に、日証協からの暴力団構成員該当性の有無の照会に対し迅速に情報提供を行う枠組みを構築する方針を固め、

警察庁と日証協での枠組み構築に向けての検討が進められている

ことを言ってようです(平成22年5月26日付 「日本証券業協会における暴力団排除の取組みと警察からの情報提供について」参照)。 

反社データベースについては、「警察庁任せ」と言っているということなのでしょうか。 

よく分かりません。

 

いずれにせよ、    

今月4日から運用が開始された、証券会社側から警察庁のデータベースに照会するシステムは、

警察庁が平成22年5月26日に、

日証協に迅速に暴力団組員に関する情報提供を行う枠組みを構築する方針を決め、日証協に提供したもの

となるようです。 

今回、警察庁が日証協にシステムを提供するまでの期間として、

2年半以上の期間を要したことになりますが、

よほど複雑なシステムなのでしょうか。 


告訴・告発、被害届の受理に関する新しい通達 [報告]

ノーマークでしたが、

警察庁が、

先月(12月)6日、警察庁刑事局長、同生活安全局長、同交通局長及び同警備局長4名連名の

告訴・告発の受理体制及び指導・管理の強化について

という通達を発令しています。

この通達で引用されている

平成24年8月9日付警察庁長官通達

「「警察改革の精神」の徹底のために実現すべき施策」に基づく各施策の着実な実施について

を含め、

警察に告訴・告発事件を持ち込もうとする際には、大変参考になるのではないかと思います。

また、告訴・告発についてだけではなく、被害届の受理についても、

昨年8月24日付刑事局長通達

迅速・確実な被害の届出の受理について

が、都道府県警察は迅速に被害届を受理するよう発令しています。

この通達も、警察に被害届を出そうとする際には、とても参考になります。

 

   

警察では平成22年以降、不祥事が多発していたということですが(前記「「警察改革の精神」の徹底のために実現すべき施策」に基づく各施策の着実な実施について」参照)、

それにトドメを刺すような、

ストーカー被害を千葉県警習志野署などに訴えていた女性の家族が、長崎県西海市で刺殺されるという事件が一昨年前の12月にありました。

その事件では、千葉県警の担当者が、北海道旅行に出かけるために、ストーカー被害を訴えている女性からの被害届の受理を先延ばしていたことが昨年3月に発覚しました(朝日デジタルの昨年3月22日の記事「被害届受理せず、2日後旅行 ストーカー殺人で千葉県警」参照)。

ストーカー被害を訴えていた女性の被害届を、警察が迅速に受理をしていたのであれば、女性の家族の命を救えたのではないかということで、

警察は世間の非難を浴びました。

警察庁長官通達

「「警察改革の精神」の徹底のために実現すべき施策」に基づく各施策の着実な実施について

は、そのような状況の下の昨年8月に発令されました。 

同通達は、

警察が被害の不安に困り苦しむ人に応えられるようにすることを、警察改革の精神の柱として明確化し、

その目標を実現するための施策として、(警察が)

「被害者の立場に立った被害届、告訴・告発等の迅速・確実な受理と対応」

することを位置付けました。

そのような流れの中で、

8月24日に 「迅速・確実な被害の届出の受理について」と、

また、12月6日に「告訴・告発の受理体制及び指導・管理の強化について」が、

準備が整った順に、順次、発令されたことになります。

  (補足)    

なお、通達では、

 「知能犯罪に関する告訴・告発の受理・処理の適正化について」(平成24年1月20日付け警察庁丁捜二発第6号)

と題した通達も引用されてますが、

警察庁のホームページの「警察庁の施策を示す通達」のページの中には、

掲載されていないようです。

更新のし忘れでしょうか。

また、桶川事件の翌年の 平成12年4月14日に発令された

刑事局長通達

告訴・告発の受理・処理の適正化と体制強化について

は、発令権者が異なるためなのか、廃止されていないようです。


メガバンクでの グループ内派遣 [感想]

昨年成立した改正労働者派遣法は、

グループ企業派遣の8 割規制

を定めました( 厚労省のホームページの「労働者派遣法が改正されました > 派遣元事業主・派遣先の皆様2

参照。)

グループ内派遣の規制は、そのような派遣が、

本来は直接雇用すべき者を派遣労働者として働かせているおそれがあるとともに、

労働条件の切下げにつながりかねないとの問題があるため、

今回、規制が加えられることになりました。

労働者派遣法

(派遣元事業主の関係派遣先に対する労働者派遣の制限)

 第23条の2

派遣元事業主は、当該派遣元事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者その他の当該派遣元事業主と特殊の関係のある者として厚生労働省令で定める者に労働者派遣をするときは、関係派遣先への派遣割合が100分の80以下となるようにしなければならない。

このグループ内派遣に関連した記事を、先月24日、産経新聞が報じました(「『8割規制』抵触 大手2行グループ、派遣事業撤退へ 1・8万人直接雇用」)。

記事の内容は、

三井住友は、グループ傘下のSMBCスタッフサービスが銀行本体に約7300人、グループ全体で約1万人の社員を派遣。

グループ外への派遣実績はほとんどなく、ほぼ100%がグループ内派遣だったが、8割規制への対応策として、この1月までに全員を派遣先での直接雇用に切り替える方針を決めた。

三菱UFJでも、傘下の三菱UFJスタッフサービスが抱える派遣社員約7900人のほぼ100%を、窓口業務や受付などの事務系要員などとして銀行本体に派遣していたが、

8割規制への対応策として、大半を昨年10月までに直接雇用に切り替えた。


というものです。

この記事に書いてあることが公表されているホームページ等から確認できるかを確認してみました。 

まず、SMBCスタッフサービスについて。

同社のホームページの会社概要では、「従業員数 300人 」としか書いてありません。そのため、記事のに書かれている「同社に約1万人の派遣社員がスタッフとして所属」しているかは、ホームページからは確認不能です。

多数の派遣社員を派遣しているとの派遣実績は、派遣会社にとってアピールポイントであるはですが、なぜか、SMBCスタッフサービスのホームページには何も書かれていません。

「派遣実績を隠したいから、何も触れない」のではないかと勘繰ってしまいます。

また、同社の「SMBCスタッフサービスとは?」のページでは、三井住友銀行およびその関連会社のほかにも派遣先があるかのようなことが書かれており、グループ外への派遣実績があるかのような記載をしています。

記事のとおり、グループ外への派遣実績がほとんどないのであれば、

グループ外への派遣実績があるかのようなこの記載は、嘘っぱちということになります。   

では、次に、三菱UFJスタッフサービスについてはどうでしょう。

同社のホームページの会社概要には、

「従業員数 580人」のほかに、「稼働スタッフ数 7,900人」と書いてあります。

稼働している派遣社員が 7,900人いることをしっかり書かれているわけで、

この点については、SMBCスタッフサービスのホームページよりも正確です。

ですが、三菱UFJスタッフサービスのこの会社概要も、

「三菱東京UFJ銀行をはじめ多種多様にわたる業種の企業に数多くの人材を供給してきております。」と、

さも、三菱UFJスタッフサービスでは、グループ外への派遣実績が多数あるかのようなこと

を書いています。

でも、新聞記事によると、、「派遣社員約7900人の ほぼ100%を、窓口業務や受付などの事務系要員などとして銀行本体に派遣していた」ということなので、

この三菱UFJスタッフサービスのこの説明も、やはり 嘘っぱちということになります。

SMBCスタッフサービスにしろ、三菱UFJスタッフサービスにしろ、

所属する派遣社員の(ほぼ)全員がグループ内に派遣されていたことになるわけなので、

本来は直接雇用すべき者を派遣労働者として働かせていた

と指弾されたとしても

むべなるかなです。

この三菱東京UFJフィナンシャル・グループと三井住本フィナンシャルグループの

派遣社員の直接雇用への切り替えについては、

産経のほか、

朝日(「グループ内派遣を直接雇用に 三井住友FG、法改正対応も」)が報じていますが、

記事では淡々と、事実を報じるだけで、

メガバンク 2 グループの派遣制度を悪用

といった視点での論評がまったくありませんでした。

大したことではないからなのでしょう。 

ところで、労働者派遣法改正法は昨年3月28日に成立していますが、 

なぜ、 三菱東京UFJグループは昨年10月まで、また、三井住友グループは昨年12月まで、

派遣社員を契約社員に切り替えること

を差し控えていたのでしょう。

それとも、何か、一発逆転でも狙っていたのでしょうか。

いつも逃げ足が早いのに、不思議な気がします。