「尖閣諸島売ります」 [検討]
本屋に行ったら、「尖閣諸島売ります」という題の本が平積みとなっていたので、ついつい買って読んでしまいました。
本の著者は、栗原弘行氏。
魚釣島、北小島、南小島の3島を所有する人の弟となる方です。
政府が魚釣島を使用する権原に関し、栗原氏は本の中で、
10年前、国との賃貸契約を締結する前までは、ヘリポートの使用契約だけでした。ヘリポートといっても、5メートル四方しかなく、他には気象台が設置されていた程度です。
それ以前は国との賃貸契約は結んでいなかったので、島に誰かが勝手に上陸しても国が「不法」という言い方をすることもできませんでした。(94頁)
と述べてみえます。
魚釣島と北小島、南小島の3島は、平成14年4月1日から、国(正確には、総務省)が所有者から賃借権の設定を受けていて、その賃借権設定登記もされていますが、
この魚釣島についての、国の賃借権設定とその登記がされることとなった理由が、
島に誰かが勝手に上陸したら、国として「不法」と主張をすることができるようにするためだった
ことを、関係者の話から確認することができたことが収穫と言えば、収穫でした。
国が全島を所有者から借り受けた上で、島への立ち入ることを予め禁ずると宣言しておけば、島に立ち入る者がいても、その者の島への立ち入りは軽犯罪法違反で違法だと、国としては言えることになるわけです。
軽犯罪法違反
第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
32号 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者
それ以外に参考となったことは、
栗原氏の妹さんが所有する久場島については、
1992年(平成4年)に防衛庁との間で20年の賃貸借契約を交わしていること。
その久場島の賃料の年額が約560万円になる(と推計できる)ということぐらいでした。
久場島の賃料の補足をしますが、
栗原氏は、魚釣島と北小島、南小島、及び久場島の4島の賃料の合計として栗原家に、おおよそ3000万円が支払われると話されています(88頁)。
登記上の借賃は、魚釣島、北小島、南小島の合計で、年額24,388,544円という内容となっています。
そのため、久場島の賃料は約560万円( ≒ 約 3000万円-24,388,544円)と推計できるわけです。
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